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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈幼き獲物・銭森美津紀〉-1

数日後。

あの貨物船は某国の港へと辿り着いた。

波の穏やかな湾内を静かに進み、停船間近になった時、タグボートが現れて貨物船の右舷を押し始めた。
そして貨物船は、ついに岸壁へと静かに横付けされた。


『ふう……やっと着いたかチクショー』


専務は両手を上げて背伸びをし、タラップを下りて某国の大地を踏み締めた。
青く澄んだ空と厚い黒雲が、奇妙なコントラストを作っていた。

窪んだコンクリートの岸壁には、水溜まりがあちこちに出来ていた。
スコールの後の晴れた空は空気を蒸させ、とても不快極まりない。
と、そこに肌の黒い小肥りのハゲオヤジが、数人の若い男達を引き連れて歩いてきた。
専務は右手を振って笑顔を作り、そのオヤジの元へと駆けた。


『よく来たな、修』

『サロトさんも元気そうで』


専務は修と呼ばれていたが、それが本名とは限らない。
数年前に出会った時、口から出任せに喋った名前だ。

サロトと呼ばれたオヤジは、数年前に夏帆や芽衣など美津紀の従姉妹四人を凌辱した張本人。
鳥の雛のような産毛同然の縮れた毛髪を淀んだ風に靡かせ、真っ黄色な歯を見せて笑っている。
前歯は上下共に無く、稚気な表情をしている。
額や目尻は皺だらけの、かなり“いい年”をしたオヤジだ。
その人懐っこい顔とは裏腹に、女性をレイプする事に異常な興奮を示す鬼畜で、その性癖は未だ健在だった。



『また良い香木が取れたぞ?“良い娘”と引き替えにお前に渡してやろう』


修は数年前、サロトと取り引きをしていた木材会社に勤めていた。
実態は美少女を拉致して贈り物とし、貴重な木材を安く値引いて荒稼ぎをする……そんな反社会的な会社だった。
前の上司である専務は、某国の帰りの航海で原因不明の病気に罹り、その緊急無電を聞いて事態を重くみた国家の工作により、ただ一人生き残っていた専務は射殺、貨物船は爆沈させられた。

運良く修はその航海には参加しておらず、その後の捜査の網にも掛からなかった。
社員の名前は全て偽名。
人数もバラバラで、書類は目茶苦茶な内容の物ばかり。
社員の殆どが死滅していたし、残りの社員は名前どころか顔すら不明。

孫娘達が拉致され、レイプされた事件の秘匿に走った前・警視総監の企みもあってか、捜査は上手くいかずに難航を極めた。
そして修は上手く逃げた後にサロトとコンタクトを取り、まんまと貨物船と貴重な木材の貿易まで手に入れたのだった。




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