〈幼き獲物・銭森美津紀〉-7
「……もう…やめて…下さい……やめ…て…下さい……」
腫れた乳首を摘みながらも、その動きを止めたサロトに、美津紀は思いを込めた哀しい視線を送り、これ以上の行為を永遠に止めるように縋った。
麻縄に縛られてさえいなければ、あの金髪の男も、このハゲオヤジも打ち負かす自信はある。
ボディーガードらしき二人の男は間違いなく強敵だが、手抜き無しの打撃を急所に打ち込めたら、勝機は皆無ではない。
しかし、この状況は貨物船の中での文乃と同じ。
手足の自由が無ければ、女は男の為すがままになる。胸元も股間もガラ空きな姿勢での緊縛では、何処を探しても勝ち目など無い。
完全な敗北を認め、ほんの僅かな期待に賭け、美津紀は泣きながら訴えた。
サロトの中にあるかもしれない、人間としての良心に自分の希望を届けるために……。
「やめて下さい…やめてッ!!やめて下さいぃ!!!」
サロトは美津紀の顔から視線を離すと、腫れ上がった乳首を離して腰に手をやり、それと同時に顔も下へと下げていった。
胸元から腹部、そして下腹部へ……美津紀の悲鳴のボリュームは上がりっぱなしだ……。
「こ、こんなにお願いしてるのにぃ!!……やめさせて!!この人にやめるように言ってぇ!!!」
サロトの荒くなった呼吸が、下腹部を擽りながら下がっていき、ついにはスカートの中にまで吹き掛けられるようになった……麻縄はギシギシと鳴って騒いでいるが、美津紀の体位はまるで変わらず、相変わらずの破廉恥な姿勢のまま……専務の目に、美津紀の眼光が突き刺さる……夏帆が“あの日”に見せた、絶望に満ちた哀しい輝き……。
「やだあぁぁぁぁぁぁッ!!!」
言語が通じない……つまり、意思の疎通が出来ない。
美津紀の魂の込めた哀願など、サロトには意味不明な呟きでしかなく、涙ながらの訴えになど、なんの痛痒も感じはしない。
汚される事への恐怖や拒否の表情・悲鳴はサロトの大好物であり、そんな少女の願いを踏みにじるのが快感な鬼畜なのだ。
飼い主の一方的な愛情を理解しないペットは、躾と称して徹底的に教育されるのが常……サロトという飼い主を美津紀が気に入らなくても、そこに拒否権などありはしない……言葉の壁がある以上、美津紀は永遠に家畜のままだ……。
サロトの頭部はスカートの中に潜り、目をひん剥いた美津紀が自身の下半身を凝視しながら泣き叫んでいる。
その可愛らしいカーテンに遮られて専務達からは見えていないが、にょっきりと伸びた太股の結合部にある“モノ”といえば、女性なら絶対に死守したい秘部しかない事は皆、知っている。
「だ…駄目えぇッ!!……あぁッ!?そんな…ッ!!あ"〜〜〜〜ッ!!!!」
パチンと弾けるような音……そしてビリビリと破れるような音が聞こえ……またピチャピチャと汚らしい音が聞こえてくると、美津紀はついに、発狂したような叫びをあげた。