第三章 肛虐の宴-14
「奥さんの尻、すごく感度が良いようだね〜。もしかして、前よりこっちのほうが好きなんじゃないかな?」
「んぐっ……そ、そんなこと……ありません」
弱々しい声で否定する美優に、張元が鼻をフンッと鳴らして再びシリンダーを押し始める。
「あうっ……あ……ああ……」
腸内で暴れ狂う液体が下腹部をキリキリさせた。
だがそんな痛みも、秘芯に渦巻いている愉悦が妖しい感覚に変えていく。
すべての神経と感覚が麻痺している……美優は、そう思わずにはいられなかった。
肛門からノズルが抜かれ、ようやく注入が終わったと安堵したのも束の間、またすぐに二回目の液体が注ぎ込まれてきた。
「んぐっ……も、もう入りません……止めてください」
「何を言っとるんですか、これくらいの量で。奥さんの尻なら、もう2百くらい簡単に飲みますよ。んふふっ」
張元に容赦はなかった。
のろのろとした手つきだが、しっかりとシリンダーを押し込んでいく。
美優は、凄まじい圧迫感と痛みに肩をあえがせ、苦悶の表情で細い喉を突き出した。
「ほら、もうちょっとだ、頑張れ」
浣腸器を咥えた尻が苦痛にヒクつきながらも、少しずつ淫らな色を浮かべはじめている。
その様に、バイブをかきまわしている大村の眼がギラッとした嗜虐心を滲ませた。
これまで、初日から4百ccもの液体を飲み込んだ女はいなかった。
それを美優の尻は、一滴もこぼさずに飲み干そうとしている。
確かに辛そうではあるが、じっとりと生汗を浮かべた肉体が、被虐系のプレイであるにもかかわらず妖艶な色気を発して止まないのだ。
こいつは上質なマゾかもしれない……そう感じとった瞬間、大村のサディスティックな血が驚喜に騒いでいた。
二本目を注入しきった張元が、ゆっくりとノズルを抜いた。
美優は短く息を吸っては吐き、それを繰り返しながら歯をカチカチ鳴らして震えた。
身体中に悪寒が走り、腸内では猛烈な便意が蠢いている。
出来れば、いますぐにでもトイレに駆け込みたかった。
しかし、勝手に起き上がろうとすれば前のように大村達が阻んでくるだろう。
いや、それ以前に、自力で起き上がってトイレまでいく自信がなかった。
荒々しい便意が物凄い力で肛門をこじ開けようとしている。
少しでもこの便意が収まってくれないと、とても身動き一つ出来そうにはない。
また、美優の懊悩はそれだけはなかった。
ここのトイレには鍵がないのだ。
排泄を間近で見られるという、あの屈辱と恥辱だけは避けたい。
淫獣らを前に、それを拒むことが無理だということは十分に思い知らされている。が、僅かに残っているプライドが、ギリギリまで美優を奮い立たせた。