第一章-1
「あの………ずっと……
好きでした………!」
夏休みの少し前______
ありさは憧れの先輩、『村上卓也』にやっと自分の想いを伝えた。
誰も居ないサッカー部の部室で二人きり…
見るだけで胸がいっぱいになるのに、いきなり二人きりだなんて……。
ありさの胸の鼓動はこれでもかというほど速くなっていた。
……どうしよう…………
ドキドキしすぎて死んじゃいそう……
ありさは黙った先輩の様子を伺いながらただただ返事を待っていた。
そしてやっと先輩が口を開いた。
「…ふーん
俺のことが好きなんだ」
椅子に深く腰かけた先輩がありさに訪ねた。
「…は、はい…!」
耳まで真っ赤に染めたありさは素直に答える。
「…じゃあさ」
「はい…?」
「俺をたたせてみてよ」
………………はい?