移ろう-6
しょうちゃんに言われた通り、自分の気持ちに暫く向き合うことにした。
次の日も、また次の日も、次の週も、やっぱり私は、
早坂さんが好きだった。
早坂さんを考えすぎて、また食が細くなったりもした。
私の体重が減るにつれ、
ユウトさんへの執着も、少しずつ、薄れていった。
呪いが、解けた心持ちだった。
「…呪いって…」
事もあろうに、呪われていたユウトさん本人にいうと、ユウトさんは苦笑した。
「だから、今日で、会うの、最後にする。」
ホテルのサービスのドリップコーヒーに目を落としながら、私は言った。
「俺の事好きだって言ってたのに、りっちゃん嘘つきだなー」
「…」
「はは、嘘だって。今日で最後ね。もう、ふらふらしちゃ駄目だよ?」
「…うん。今までありがと」
「なんか、寂しいな。ま、今日は楽しませてね?」
そう云って、ユウトさんは私を押し倒した。