華詞―ハナコトバ―5の花-4
「それにさ、もしかしたら石井さんとデートができるんじゃないかなーって思ってみたりして。教師として失格だけど。」
そう言うと先生は少し顔を赤くした。
いつもひょうひょうとしている先生がこんなに照れる姿見たことがない。
なんだ、先生も私と同じ気持ちだったのかな・・・。
照れ隠しなのかレポート用紙をパラパラとめくる先生を見ていると、自然と笑みがこぼれる。
「じゃあ先生、今度デートしてくれますか?」
「…もちろん。だけど僕の授業は無遅刻無欠席かつ課題の提出日は厳守でね。直子・・・さん?」
先生が小悪魔フェイスでにやりと笑う。
わたしは最後の一言で完璧にやられてしまった。
自分の名前のおかげなのかはわからないけど、もしオマジナイの効果があるのならば本当に直子という名前で良かったと思う。
だって私のこの素直な性格を世界で一番大好きな人が好きだと言ってくれたのだから。
おわり。