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恋に変わるとき
【青春 恋愛小説】

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誠実な男?-6

待っていたのは微妙な沈黙と、あんぐりと口を開けたままの奴の呆気に取られた顔。


拍子抜けした、と言う言葉がピッタリあてはまる奴は、


「そんなことで悩んでいたわけ?」


と、やや呆れたように呟いた。


やっぱりね。そう言う反応されると思ったんだ。


でも、あたしにとっては大問題なの。


「だって、アレするときって絶対裸見るんでしょ?」


「そりゃ、見るに決まってんじゃん」


「じゃ、じゃあ……、男の人はアソコも必ず見ちゃうの?」


「まあ、見るだろ。そうでもしねえと舐めたりできねえし……」


な、舐める!? 


そんなAVみたいなことが実際に行われているのかと思うと卒倒しそうになった。


思わず足元がふらついて、バランスを崩しそうになる。


そんなあたしの身体を、奴は慌てて支えると、自分が座っていた隣にストンと座らせた。


「ね、ねえ……、アソコ舐めるって、あんたそんなことしてんの!?」


真顔で詰め寄るあたしに、彼は少し顔を赤くして人差し指を口にあてた。


あたし達のそばを過ぎ行く学生達が、クスクス笑いながら去っていく。


「お前、声がでけぇよ」


「いいから! それって必ずやらなきゃいけないもんなの!? みんなしてるもんなの!?」


臼井陽介の胸ぐらを掴んで、あたしは奴をゆっさゆっさ揺さぶる。


「他の男がどうかは知らねえけど、大抵の男ならするんじゃねえか? その方がよく濡れてくるし、コイツは俺のもんだって征服感が満たされるような気がするし……、まあ俺の場合は、だけどな……ってなんでこんなこと言ってんだ、俺は」


そう言って奴は、恥ずかしかったのか首の後ろをガシガシ掻いた。


「やっぱり無理だ……! そんなことしなきゃいけないなんて、あたし優真先輩と一生エッチできない!」


そんな臼井陽介の話なんてもうまともに耳に入らなかったあたしは、頭を抱え込んで涙目になりながら俯いた。


「おい、落ち着けって。みんながやってるわけじゃねえだろうし、お前が嫌なら彼氏だって無理矢理はしねえって、多分」


「だって、いくら嫌だって言ったって結局は見られるもんは見られちゃうんでしょ!?」


「そりゃ、見られるのは仕方ねえわな」


「あー、絶対無理無理! 優真先輩にこんなグロいもの見られるなんて、絶対無理!」


みんな、大好きな人の前で一番恥ずかしいとこ見られてどうして平気でいられるの!?




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