好き-8
「利津子もう分かってるかもしれないけど、俺も利津子のこと好きだよ。」
好きだと云った翌日、早坂さんから、そう告げられた。
「…うん。でも、ごめん、私、彼氏と多分別れられないかも…」
「…うん。でも、俺、好きだから。」
「…うん。私も好きだから。」
その日から、電話の度に、お互い、好きだと飽きもせず言い合った。
愛を囁きあっても、その先は、ない。
本当に私は何がしたいんだろう。
誰と、どうなりたいんだろう。
馬鹿みたいに早坂さんと好きだと言い合いながら、
私は自分の無責任さに呆れながら混乱し続けた。