第二章 媚薬地獄-5
「やあやあ、お待たせしました。おっ、ちゃんと全裸になってますね〜、うんうん」
大村が、布団の上できちんと正座している美優にニコニコしながら近づいていく。
「まったく、見れば見るほどに美しい……」
よれよれのシャツとスラックスを脱ぎながら、凛とした姿勢で瞳を伏せている美優を大村はじっくりと眺めた。
スラッとした華奢な肉体に悩ましい膨らみを見せている乳房。
ふっくらと上向いているその乳房の先端には、おもわず食い千切ってやりたくなるほどの代物が淡く色づきながらちょこんとついている。
「ったく、殺して剥製にしたいくらい綺麗だな……。奥さん、眼を開けなさい。いまから二回目の取引をはじめるよ」
顔を伏せたまま静かに眼を開ける美優に、大村は舌舐めずりした。
「それじゃあ、まずは口で抜いてもらいましょうか」
数本の深い皺を刻んだ顔から笑顔を消し、すでにいきり勃っているモノを目の前で揺らして見せる。
「うっ……」
美優の表情があからさまに不快感を訴えてきた。
「ほれ、早くしなさい」
ペニスの先端で鼻先を小突かれ、美優が仕方ないといった感じで舌を差し伸ばしていく。
嫌な臭いが鼻腔に充満した。
「奥さん、愛情持って丁寧にしゃぶらなきゃダメだよ。咥える前にその綺麗な舌でチ○ポの表面を磨きなさい」
大村の注文通り、美優は亀頭の表面やカリの裏部分にチロチロと舌を這わせまわらせた。
(汚らしい……どうして……こんな事までしなくちゃいけないの……)
舌を押し付けるたびに滲み出てくる牡の粘ついた淫汁。
「ああ、奥さん、我慢汁が布団の上に落ちちゃう。ちゃんと舐め取りなさい」
どこまでも人を不快にさせる大村の言動。
美優は眉根をきつく寄せながらも、その粘液を丹念に舌先でぬぐい取ってやった。
男の息遣いをしっかりと聞き取りながら、丁寧に口唇奉仕を続けていく。
ここまでじっくりとフェラチオしたことは、おそらく今までに一度もなかった。
もちろん夫にもない。
ここから一秒でも早く逃れたいという気持ちが、美優に懸命な奉仕を行わせているのだ。
「奥さん、なかなかエロい舌使いをしてくれるじゃないか。もしかして、まんざらでもないってことかな?」
積極的な美人妻のフェラに、大村が満面の笑みを浮かべた。
好きでやっている訳ではない。
その気になっている訳でもない。
いっそ、このペニスを思いっきり噛んでやろうか……屈辱に苛立ちが加わり、そんな無謀な考えさえ浮かんでくる。
美優は怒りを堪えながら、大村の怒張を深く口腔に咥えこんだ。
夫のものとはまるで形状の違うペニス……その感触は独特で、咥え込んですぐに昨日の悪夢が蘇ってきた。