第二章 媚薬地獄-15
「あっ、いやあっ!!」
案の定、美優の口が悲痛の鳴き声を上げた。
催淫薬によって、ふだんの何十倍も敏感になっている秘豆。
軽く触れただけでもその快美さは絶大だろう。
美優の肉体には激震が走っていた。
後ろから押し込まれてくる肉棒の悦楽、それに加えて秘豆から鋭く突き上がってくる峻烈な愉悦の電流。
とめどなく溢れ出してくる淫蜜は、挿入されている肉棒に掻き出されるようにして結合部からダラダラと淫靡に垂れ落ちていた。
バックから激しく突かれ、鋭敏な箇所を官能的に責められ、美優は何度も気をやる素振りをカメラに向けた。
背後からたっぷりと乳房を揉み込みながら、大村がダイナミックな動きで腰を叩きつけてる。
痩せこけた身体には似合わないほど力強い動きだ。
「うむむっ、ぼちぼちイきそうだ……顔にぶちまけてやるから、ちゃんと口を開けて待ってるんだぞ!」
そう言い、後ろから美優の身体を抱き起こした大村が、双乳を乱暴に搾り上げながら腰をバチン、バチン、とさらに強く叩きつける。
「んぐっ……ほら、顔を向けろ!!」
赤く充血しきった秘部から素早くペニスを引き抜き、大村はそれを手で握り締めながら美優の顔へと持っていった。
ドピュッ、ビュビュッ、ビュッ―――
ペニスの切っ先から飛び出してくる汚濁液が、愉悦によってすっかり蕩けている美貌を容赦なく汚していく。
紅潮した頬に、そしてスーッと筋の通った気品ある鼻に、薄紅の唇に、ねっとりとした粘着液がおびただしく付着した。
「あ、ああぁ……」
「ハアハア……おい、ちゃんと飲むんだぞ」
貌に付着した淫液をペニスの先で拭い、大村がそれを美優の口へと運ぶ。
美優は黙ってそれを嚥下していった。
深夜二時―――美優は、隣で上品な寝息をたてている夫を哀感の眼で見つめていた。
(あなた……ごめんなさい……私……もう、あなたに顔向けできない……)
何も知らない夫の前で、自分が犯している背徳行為にきつく心を絞められながらポロポロと涙を溢れさせる。
しかし、美優の懺悔の理由は、一方的な大村からの汚辱だけではなかった。
それ以上に怖いものが、絶対に知られてはいけないものがあった。
陵辱の中で芽吹いてしまった理不尽な欲望。
認めたくはないが、認めざるを得ない。
気を許すと、大村との行為が脳裏にチラついてしまうのだった。
美優は、ギュッと下唇を噛みながらシーツに包まった。
そして、きつく瞳を閉じた。
いくら時間が経っても、一向に眠れる気がしなかった。
美優は静かにベッドを降り、物音を立てぬようにして浴室へと向かった。