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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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拾い物-1

 冒険者……それは何かしらの目的に向かって、危険も省みずに挑戦する勇気ある人々。

 こう言えば聞こえは良いが、実際は定職に就かずフラフラしている何でも屋だ。
 しかし、彼らのような存在は街に魔物が出たり、災害で被害を受けたりした時は率先して助けてくれるし、旅のボディーガードなどには最適でもある。
 中には旅の途中で身ぐるみ剥がして逃げるろくでもないのもいるのだが、そこは運が悪かったと諦めるしかない。

 そして、ここにも2人の冒険者が居た。

「今回の仕事は楽だったね♪」

 そう言いながら皮袋に入った金貨を数えて、赤茶色の目をキラキラさせているのは、妙に露出度の高い服を着た少女。
 くるくるパーマの薄い金髪は頭の両サイドで2つ結び、その結び目は黒いシュシュで飾られている。
 デコルテと肩は大きく露出しており、隠しているのは大きな胸と二の腕だけ。
 鳩尾部分から臍までも露出してて、腰履きのスカートは超ミニのフワフワのヒラヒラ。
 色は黒だが、服の縁取りとスカートの内側が白いレースで装飾してあるので何だかエロいメイド服に見える。
 一見して冒険者には見えないのだが、太股のガーターリングには鞘に収まったダガーがぶら下がってるし、腰に巻いてある太いベルトには短弓と矢筒、腰の後ろには一組のトンファーもある。
 少女とは言っても張り出した腰回りなどを見ると、20歳は越えているだろう。

「カイザスのお姫様のボディーガードだから羽振りは良かったな」

 少女の声に返事をしたのはバスタードソードを背負った青年。
 灰色の長めの髪を無造作にひとつに括り、焦げ茶色の皮アーマーにロングブーツ。
 こちらはいかにも冒険者だが、背中のドでかいバスタードソードを扱えるのか心配になるぐらい身長がミニサイズだ。

「よぉっミニマム!」

 その青年にガタイの良い男が声をかけた瞬間、男の目の前にバスタードソードの切っ先が突き付けられた。

「どぅあれがミニマムだとぉ?」

 青年は片手で軽々とバスタードソードを操り、男の頬をペタペタ叩く。
 青年の蒼い目は据わっていて、こめかみ辺りには青筋が浮いていた。
 ミニサイズとはいえ、160センチはあるのだ……自称だが。

「へへ……悪ぃ、ゼイン(いつ抜いたんだよ、おい)」

 男は冷や汗を流しながら両手を挙げて降参のポーズをとる。
 今、「お前だよお前」なんて言ったら簡単に首が胴体から離れるだろう。

「ミニマムなんだからミニマムって言われても仕方ないじゃ〜ん?」

 メイド服の少女があっけらかんと言い放ち、その瞬間、少女が立っている場所にバスタードソードがめり込んだ。


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