拾い物-8
「凄ぇ化けたなぁ……つうか、女だったか」
「んも〜超可愛い♪」
カリーは堪らないという感じでポロを抱きしめ、そういうのに慣れていないポロはビキッと硬直している。
奴隷にとって人から触れられるのは、大抵痛みが伴うので反射的に緊張してしまうのだ。
「カリー」
ポロの顔面蒼白具合があまりにも可哀想なので、ゼインはカリーを呼んで彼女の肩を引いた。
「あ、やだ、ごめんね?」
カリーはポロを解放して、代わりに手を繋ぎ部屋の中に戻る。
ゼインもそれに続き買ってきた食料をテーブルに広げ、簡単な夕食をとる事にした。
食事をしながらポロに色々聞いてみたが、彼女は首を横に振るばかり。
本当に分からないのか、飼い主に口止めされているのか……。
「ま、とりあえずお前がどうしたいかによるな」
ゼインの言葉にカリーはぷうっと頬を膨らませて抗議する。
「ポロは私が拾ったんだから私の!」
「お前に聞いてねぇよ」
ゼインはカリーに突っ込んだ後、ポロに視線を移した。
どうしたいか、なんて分かるワケがない……余計な事を考え無いように、調教、洗脳されてるのだ……ゼインだって昔はそうだったのだから。
案の定、ポロは与えられた食事を黙々と食べるだけでゼインの言葉には無反応だった。
今の所ポロが見せた表情は恐怖と困惑だけで、後は無表情。
「なるようになるか……」
拾ってしまったものはしょうながい。
ゼインは色々考えるのを止めて、休む事にしたのであった。
暗闇から伸びる手。
ーヤメロ
身体中を浸食していく熱い疼き。
ーイヤダ
先の見えない快楽と苦痛。
ーイヤダ、イヤダ、イヤダ……ヤメテクレ!!!!
「ゼイン!!」
「あ゛っ?」
切羽詰まったカリーの声に無理矢理夢の淵から引き上げられた。
目の前には心配そうなカリーの顔。
「はっ…」
ひゅっと喉が鳴って、息が止まっていた事に気づく。
全身から嫌な汗が吹き出していて、吐きそうなぐらい気持ち悪い。
体を起こそうとしたが、ガチガチに強張って動かなかった。