拾い物-4
「ゼイン?息を大きく吸ってみようか?」
今にも爆発しそうな様子のゼインに、カリーはいつも通りの声音で言う。
ゼインは震える肩を上下させて大きく息を吸い込んで、ゆっくりと吐き出した。
「はい。良く出来ました」
「……おう……」
カリーにポンポンと頭を叩かれたゼインは、よろよろと後退り壁に寄りかかってもう一度深呼吸する。
ゼインは奴隷の出身……自分がどこの国の人間か、何故奴隷なのかは知らないが気がついたら奴隷だった。
そのくせ気性が荒く反抗的なので売れても返品される。
そんな日々が続いたある日、ゼインは飼い主を殺して脱走したのだ……もう、8年も前の話になる。
だから奴隷関係の事となると感情が高ぶってしまうのだ。
簡単に言えばトラウマ……カリーはその事を知っているので、そんな時のゼインの扱い方もお手のもの。
ゼインの前に立ったカリーは彼の頭に手を伸ばして、自分に引き寄せた。
素直にカリーの肩に額を置いたゼインは、ゆっくりと呼吸を繰り返す。
感情が高ぶり過ぎて何度か過呼吸を起こした事があるのだ。
暫くそうしているとゼインの呼吸が落ち着いてくる。
「……カリー……」
ゼインはカリーの名前を呼んでから頭を少し動かして、彼女の首筋に唇を押し付けた。
「ん……良いよ」
カリーの許しが出るとゼインは舌を出して首筋を舐める。
「ぁ……ふっ」
そうして首筋を愛撫しながら、ゼインは極端に布地の少ないカリーの服を引き下げて胸を露にさせた。
ぷるんと大きな胸が零れて揺れるのを、左手で鷲掴み揉みほぐす。
「んっ……ぁ……ハァん……」
直ぐ近くに人が居るので、声が出ないように注意しながら与えられる快感を甘受するカリー。
別に恋人なワケでは無いのだが、2人共20代の若者なので性欲旺盛。
2人で旅をすると決まった時、手っ取り早くお互いの身体で処理しようと決めた。
下手に他人と関係を持って病気など移されたらたまったものでは無いし、回数を重ねる事にお互いの良い所も分かってくるワケでとても都合が良い。
更にゼインは奴隷時代に愛玩用の肉体改造をされており、子種が無い。
妊娠の可能性も無いので、カリーにとってもとても良い相手なのだ。
ただ、約束事がひとつ。
決して唇にキスはしない事……唇へのキスは特別……好きな相手にだけ。
これは2人の共通のこだわりであり、ボーダーラインだ。
「ぁんっ……あふっぁあ」
それ以外なら相手が嫌がらない限り何をしてもオーケー。
ゼインはカリーの胸を下から持ち上げて、可愛らしいピンク色の乳首を口に含んだ。
「はぁんっ……ぁ……くぅ……ゼ…イン」
舌で蕾を転がすとカリーの膝がカクンと折れ、ゼインは右手で腰を引き寄せて彼女を支える。
左手で太股を持ち上げお尻の方に手を回して、下着の上から撫で回した。