8月10日-7
その日、私はしょうちゃんと1泊することにした。
体だけの人と泊まるのは初めての事だった。
しょうちゃんの寝顔を見ながら、なんか、しょうちゃんを男性として好きにならなそうな気がした。
自分なんかとは釣り合わないというのもあるけれど、
人間として大きすぎて、自由すぎて、尊敬してしまうのだ。
こんなイケメンで優しいのに、好きにならないなんて、あるんだろうかと、我ながら信じられない気持ちになった。
「俺ね、長いこと彼女作んないでセフレちゃんとふらふらしてたから、
人を好きになるって、よく分からなくなっちゃったんだよね。」
しょうちゃんは多趣味で友達も多く、充実した生活を送っているように見えた。
でも、本当は、寂しい人なのかもしれない。
「好きが分からないのは、私も同じかもな。」
ごく小さな声で一人言を云って、私は眠りについた。