歪-2
アオキは買い込んだ鍋の材料をマドカに渡して、マドカはそれを持って台所に行った。
狭いアパートの一室なので、台所と言ってもちゃぶ台に座るアオキから丸見えだ。
マドカが白菜やしいたけを刻む後ろ姿がモニターからも確認出来る。
アオキが、そんなマドカをじっと見つめていた。
彼女のやや丈の短いスカートから伸びる白い素足に、アオキの視線が絡みついている。
マドカの容姿に派手さは無く、本人もどちらかというと地味で素朴な服装を好んでいた。
しかし、野にひっそりと咲く野草のような可憐さに、俺は魅かれていた。
スタイルもグラマーとは言えないが、着痩せするのか、服を脱いだら思ったよりも……と彼女の裸身を最初に目にした時には生唾を飲み込んだものだ。
髪は襟首を隠す程度の、あまり飾りっけのないショートカットにしていた。
子供相手の仕事なので、髪を染めるようなこともしていない。
アオキとマドカは、ここ最近顔を見知ったばかりだ。
今日のような形で、二度ほど共に食事をした程度だろうか。
俺が女と同棲している事を話すと、アオキがやっかんで一度行かせろとせがんだ。
その後、アオキはマドカに好感を持ったのか、さらに羨ましがるようになった。
あの子と毎晩ヤッてるのか?
マドカちゃんのアレの締りはいいのか?
などなど、品性の欠片も無い質問を俺にぶつけてきたが、当然それは無視した。
アオキも容姿はそこそこで、全く女にモテない訳では無いはずだが、下心丸出しなのを女から見透かされるのか、すぐにフラれるか関係が長続きしない。
しばらくすると、マドカが切り分けた具材を運んできた。