豪華な客室-4
「せっかく旅行なのに瞳さんは残念ね〜」
温泉街を歩きながら美弥子が残念そうにつぶやいた。
「もしかして避けられたか」
忠は気がかりなことを口にした。
「お母さんが強引過ぎたからじゃないの」
恵子が美弥子を睨む。
「まあまあ、時間は有るし大丈夫ですよ。最初はああだけど、母は一旦火が付くと凄いんですから」
落ち込む美弥子に新司がフォローをした。
「そうでしょ、あたしもそう思うのよ、瞳さんてあたしと同じエッチな雰囲気があるのよ。あたしと同じエロの香りね」
「そこまでじゃないですけど…」
とにかく復活が早い美弥子に新司は苦笑い。
「いいえ、あたしには瞳さんがオナニーをしながら身悶えるシーンがアリアリと目に浮かんでくるわ」
目の前の土産物屋の店員が美弥子の卑猥な言葉に目を見開いた。とにかく美男美女の一行なので普通にしてても目立つのに、美弥子の言動がそれに輪を掛けた。
「あっ!もしかしたら…」
美弥子は自分で言った言葉が切欠となり、さっき見過ごしていたことが、自身のエロい嗅覚に引っ掛かっていたことに気がついた。
温泉街の人々が好奇な目で見守る中で美弥子は立ち止り、手にしたビデオカメラを操作して車内で録画したシーンを再生しだした。
『いやああん、いやあああ、イッチャウ、イッチャウ、あああん』
音量はマックス、真昼間の温泉街に恵子の喘ぎ声が響く。親子連れの温泉客が慌てて我が子の耳をふさいだ。
「いやあだあ、お母さん、あたしのエッチな声をみんな聞いてるじゃないのよう」
恵子は顔を赤らめて腰をモジモジと動かした。わざわざ『あたしのエッチな声』と言った恥ずかし効果で、恵子の卑猥な部分が一気に濡れてきた。
「しっ、ここよ!ここを見て!」
『ああん、あああん、イクウウウウウ、ああああああああああん』
「やあん、新司さんのチンポがあたしのおまんこに突きたってる〜、やらしい〜」
清純そうな恵子のその言葉が辺りに 響き、温泉街の人々の動きが一瞬にし てフリーズした。
「違う、そこじゃなくてここよ!」
美弥子の言葉に画面に目を落とした淫らな集団は「お――――――!」と感嘆の言葉を発した。
「やだあ、お義母様ったらおまんこ触ってる〜」
「そうよ、瞳さんたらあたしたちがおまんこするのを見ながらこっそりオナニーしてたのよ」
「と、いうことは車酔いってのは怪しいな」
自分の母親の本質を知る忠がニヤリと笑った。
「そうよね。車酔いしてたらオナニーなんてできないわよね」
「恵子ちゃんだったら、目の前でおまんこされたらどうする?」
「もちろんあたしもしたくなるわよ」
「もし、したくても出来なかったら」
「オナニーするしかないわね」
「その時ってこんな感じでするの?」
「これじゃあ満足できないわ。もっとおまんこを『がーっ』て感じで…」
その恵子の言葉に4人はハッとして顔を見合わせた。そして一瞬後、
「い、いかん!急がないと!」
忠が発した言葉を合図に、4人は駆け足で温泉旅館に戻っていった。
4人の居なくなった温泉街では、土産物屋の店主たちが笑顔を引きつらせながら、変な一行が立ち去ったことに安堵の表情を浮かべていた。
もちろん中には残念そうな顔をする者も居た。