豪華な客室-2
「新司!なんてことを言うの!」
瞳は顔を赤らめて息子を窘めた。
「いいんですよ瞳さん。新司くんの冗談はいつものことです。こんな冗談が出るほど打ち解けてくれてるんですから、私たちは喜んでるんですよ」
忠がにこやかにフォローをした。
「はあ、そうですか…(打ち解け過ぎだと思うけど)」
「そうよお義母様。あたしは両親と仲良くしてくれる新司さんで良かったと思ってます」
「仲良くし過ぎですけどね〜」
美弥子が新司の首にしがみついて茶化した。浮かれた美弥子はどうやらエロモードに入ったようだ。
「お母さん!」
恵子は暴走する美弥子を睨みつけた。まだ瞳をエロサイドに取り込んでいないのに、美弥子の暴走で瞳が拒絶したらせっかくの温泉乱交計画が台無しだ。
「は〜い…」
恵子の迫力にさすがの美弥子も大人しくなった。
「え〜っと、お食事は何時にいたしましょうか?お召し上がりは部屋がよろしいですか?それとも広間にしますか?」
ヒクヒクしながら一家のやり取りを聞いていた女将は、これ以上話が変な方向に行かないように割り込んだ。
「食事は部屋に運んで貰おうか。時間はそうだなあ、チョット温泉街を散策してから温泉に入るとして、6時でいいな」
「え〜、出かけるのお〜、せっかく温泉があるのに入らないのお〜」
一旦大人しくなった美弥子だったが、またもや愚図りだした。
「美弥ちゃん、温泉はあとあと、時間はたっぷり有るんだから、先に散策に行くぞ」
忠は苦笑いを浮かべながら言った。忠にとっても、今すぐ露天風呂での乱交には心惹かれるが、楽しみは後に残した方がいい。それよりも先ずは瞳だ。忠は今から行く場所で瞳の取り込みの切欠を作ろうと考えていたのだ。
「そうよ、お母さんも例のところ行きたいって、ネットで下調べしてたでしょ」
「そうだ、忘れてたわ!秘宝館に行くんだったのよね。それと温泉街のストリップ」
「ひ、秘宝館!ストリップ!」
瞳は美弥子の言葉にゾクッと身震いをした。
「ああん、楽しみね〜」
美弥子は一転、満足した表情を浮かべた。
「え、え〜と、食事は6時に部屋にお持ちでよろしいですね」
女将は引きつった笑顔を浮かべながら予定を確認し、その後も息もつかせず宿の注意事項を説明して、そそくさと部屋を後にした。
女将が退散し、一通り荷物の整理が終わると、寛ぐ間も無く美弥子がみんなに声を掛けた。
「じゃあ、行きましょうか」
美弥子がウキウキしながら言ったのに対して、瞳は遠慮がちに答えた。
「み、美弥子さん、あたしチョット疲れたから部屋で少し休んでるわ」
「えっ?行かないの?面白そうよ」
「ええ、チョット車酔いしたみたい…」