夏-1
ユウトさんへの気持ちが、気温が高くなる頃から儘ならなくなっていた。
何度となく、会話も体も重ねたところで、心はどうやっても手に入らなかった。
押しても、引いても、彼はびくともしない。
なんだかんだで、愛情が薄いから彼女とセックスレスなんだと思っていたが、甘かった。
彼は、セックスがなくても大丈夫なくらい、彼女を愛していたのだった。
どうしようもない気持ちのぶつけ場所を間違えて、
私は暇があれば誰かと逢うようになっていた。