実習-6
「さあ、それじゃあ、お互いに甘い時間を分かち合おう。」板東はそう言って真雪の両脚に手を掛けた。そして大きく開かせた。「やっぱり若いコを相手にすると興奮する。ほら、見てご覧、真雪。」
板東はたった今射精したばかりのペニスを掴んで真雪に見せびらかした。それはすでに大きさを取り戻し、びくびくと脈動を始めていた。
「さあ、今度は下の口に出してあげようかな。」板東はそう言って広げられた脚を抱え、真雪の秘部にためらうことなくペニスを埋め込み始めた。「い、いやっ!」真雪は大きく叫んだ。しかし身体にはもう、何をする力も残っていなかった。たださっきよりもさらに燃えるような熱さになっていて、全身が張り詰めた破裂寸前のゴム風船のように敏感な状態が続いていた。
「感じるかい?真雪。」
「あああ、熱い、熱いっ!」
「いいコだ。そのままいつでもイっていいよ。」板東は激しく腰を動かした。しかし、さすがに二度目の射精までには時間がかかった。「くっ!」板東は少し焦りながら腰を動かした。いつしか彼の肩や背中に汗の粒が光り始めたことを、真雪は天井に映った姿で知った。
力なく寝かされた自分の身体に、妻子ある中年の男が全裸でのしかかり、腰を激しく動かしている。真雪の身体は、その動きを受け止め、上下に揺すられていた。それは真雪自身が自ら動いているわけではなく、板東に貫かれ、その乱暴な身体の動きに合わせてただ機械的に動かされているだけだった。やみくもにこすられる痛みを秘部に感じ始めていたが、興奮の渦はいたずらに真雪の身体中を駆け巡っていた。鼓動も速く、息も荒く、激しくなっていく。ただ、それにも関わらず真雪の虚ろに開かれた眼は、鏡に映ったその光景を冷静に観察していた。まるで彼女の心と身体が分離しているかのように。
永遠とも思えるほどの長い時間が経ち、それまで呻いたり喘いだりしていた板東がやっと言葉を発した。「イ、イくよ、イくっ!」
「だ、だめ・・・あああ・・・。」真雪は小さく声を発した。
板東の二度目の射精はすぐに終わったが、真雪は今までと違うものを何も感じることができなかった。ただ燃えるような身体の熱さはずっと同じ温度で続いていた。
やがて板東の身体は、そのまま力なく真雪に倒れ込んだ。真雪はそのただ重いだけの板東の身体に押しつけられて、苦しそうに息をした。真雪の身体の火照りが、波が引くように一気に冷めていった。そして身体の芯だけに熱が残った。それは炎の消えた暖炉の中に残った熾(おき)のように赤黒く妖しく熱を発し続けた。秘部の痛みも残ったままだった。
風邪をひいて寝込んでいる時と同じような症状だと真雪は思った。彼女は暗く、深い闇の中にひとり佇んでいるような孤独感に苛まれた。
夜明け前に板東と二人で社員寮に戻った真雪は、自分の部屋で着替えを済ませ、何事もなかったかのようにその日の実習に参加した。板東も昨夜のことなど何も知らないようなそぶりで実習を指示し、監督した。
「どうかしたの?真雪。」ユウナが声を掛けた。
「え?何が?」
「何だか元気ないよ。」
「ちょ、ちょっと疲れてるのかもね。」
「実習あと三日だよ。がんばろ。」
「うん。」