減少-4
「ねぇ、中に出しちゃっていいよ。」
刹那、太一の動きが止まった。
部屋に入ってしばらく話した後、私たちは久々のセックスを始めた。
ゴムを着けずにしようと提案したとき、太一は驚いた顔をしたけれど、
安全日というアテにならない言葉を信じて避妊をせずに行為に及んだ。
「…え?」
太一は怪訝な顔をした。
「なんで?子供、欲しいの?」
「…そうじゃないけど」
「じゃ、なんで?」
太一は上からまっすぐ私を見ている。目が綺麗だな、と少しだけみいった。
「…べつに、なんとなく…ごめん」
「…謝んなくてもいいよ」
太一は笑顔を作ったけれど、それはあくまで作ったものだと分かった。
ぎこちなくなった空気のまま、
結局、太一は、直前に私から体を離した。