減少-3
ユウトさんは分かりやすい人だった。
自分がしたい時は日に何度もメールを寄越した。
逆に、その気がない時は私からのメールも無視した。
家に着いて、携帯を確認する。今日は、メールが返って来ない。
彼女と、今日はできたのかもな。鳴らない携帯の画面をぼんやりと見る。
ユウトさんとは、あのあと何度か逢った。
その度、彼女の話しを彼はした。
私は、何でもないふりをしながら相槌を打って、話しの先を促した。
柔らかいユウトさんの表情を見ながら、自分がどんどんすり減っていく感覚に陥っていった。
インターホンの音が部屋に響き、私は我に返る。
ドアの向こうに太一を確認して、私はドアを開けた。