減少-2
なんだか、食欲が、ない。
仕事帰りによく寄る牛丼屋で、白髪ねぎの乗った牛丼を半分以上残して私は席を立った。
ユウトさんと逢った翌日から、空腹を覚えても、うまく食べられなくなってしまったのだ。
朝も昼も夜も、のどの下あたりがつかえた様な感じがしていた。
なんか変だな、とは思ったけれど、さして気にもせずしばらく生活した。
体重が3キロほど減ったとき、自分がユウトさんに恋している事にやっと気付いた。
我ながら、唖然とした。
彼のどこを好きになったのか、考えても考えても見当がつかなかった。
女は、体の関係を持つと相手を好きになる習性があると、どこかで聞いたような気がする。
だとしたら、多分、そういうことなんだと思う。
今度来たときは、ミニサイズを頼もう。おつりを受け取って、私は外に出た。