5月20日-6
天井で、プロペラみたいなものがゆっくりと回転している。
これってなんのためにあるんだろう。空気を循環させるためのものにしては回るのがゆっくりすぎる。
私、太一以外の人とも、できるんだな。
終わったあと最初に思ったのはそれだった。
「うわ、ごめんねー、髪にも付いちゃったね。」
ユウトさんが申し訳なさそうにいう。
そう言う割りに、容赦なかったなぁと少しうらめしい気持ちになる。
顔に出さないで、と泣きそうになりながら言ったのに、無情にも顔面に掛けられてしまったのだった。
あと、ゴムをつけて、と言ったのも断られしまった。
初めて生のまましてしまった。
ああ、駄目だな、自分。とティッシュで顔やら脚の間やら拭かれながら、そのプロペラを私はぼんやりと見ていた。