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恋に変わるとき
【青春 恋愛小説】

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狂い始める歯車-2

でも彼女曰く、「好きになったから、後悔してない」そうだ。


正直、身体から始まった恋なんて、遊ばれているんじゃないかと心配にはなったけれど、そんなあたしの心配をよそに、輝美は今もその彼氏とすっごく仲がいい。


おそらく昨夜も彼氏と身体を重ねて来たのだろう、輝美のツヤツヤなお肌を眺めながらあたしは彼女の答えを待った。


「んー、あたしはあの時お酒も入ってたってのもあるんだけど……。それでも少しは怖かったよ」


ほーら、やっぱり。


あたしが怖気づいてた理由が正当化されたような気がして、あたしは少し胸を撫で下ろした。


「でもね」


輝美は少し顔を赤らめつつ、それでいて嬉しそうに続けた。


「好きになった人に求められるってすごく嬉しかったよ。あたしの裸に興奮してくれた彼がすごく愛おしくて、あたしも彼が欲しいって思って……。

結局恐怖よりも愛が勝ったんだよね」


そう言い切る輝美の顔はとても綺麗で、幸せそのものだった。


それを羨ましいと思うけれど、またあのエッチなDVDのことを頭に浮かべては、不安が訪れる。


やっぱりああいう行為に及ぶ男女の姿は獣のようにしか思えない。


あんなはしたない行為をすることが愛だというのなら、あたしの優真先輩に対する気持ちは愛じゃないのだろうか……。


眉間にしわを寄せつつ考えてみる。


こないだの、あたしの胸を荒々しく触ってきた優真先輩の顔は、完全にオスとなっていた。


鼻息を荒くして、あたしの身体に触れてくる彼が、人間らしさを失ったただの獣に変身する過程、それがあたしにはたまらず怖かった。


あたしがこう思っているうちは、きっと身体を重ねるなんて真似、絶対できやしないだろうな……。


優真先輩が大好きなことには変わらないのに、スイッチが入った彼には少なからず嫌悪感のようなものを抱いてしまう自分が、悪者のように思えてくる。


難しい顔で考え込んでいるあたしに、輝美は


「まあ、恵もいずれ必ずその時がくるから! “この人に抱かれたい”って時がさ。だからそんな怖い顔しないで、気楽にいきなよ」


と、右手首を上下に振りながら笑いかけた。





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