第一章 卑劣な罠-22
「ふふふ、どんなに上品な容姿をしてても、やはり女は女だな」
これまで何人もの女を罠にはめてきた大村にとって、そんな美優の変化など単なる序章にすぎないと思っている。
これからが本番とばかりに、大村は徐々にピストンのスピードを上げながら、またペニスの軌道にも予想不可能の変化をつけていった。
「んんっ……んんんっ……」
手のひらで口を押さえ、漏れそうになる淫らな喘ぎを必死になって美優が堪えていく。
火照りあがった肉体を内部から溶かしていくような凄まじい痺悦感。
それはもう、快美な電流などという生易しいものではなかった。
源泉はすっかり麻痺し、自分ではもう溢れ出す淫液を止めることなど出来ずにいる。
そればかりか、なおも燃え広がっている淫熱によって身体の性感帯すべてが激しい疼きに見舞われており、少しでも気を許すと自ら乳房を揉みしだいてしまいそうで怖かった。
「んっ……んはっ……あうっ……んああぁぁ……」
懸命に堪えていた喘ぎが、高速化していく大村の動きによって次第に抑制不可能となっていく。
精神はひどく乱れ、心までもが犯されはじめていった。
「う、うむ、イきそうだ! ほら、あんたもイケ! おもいっきり気をやりなさい!」
掴んだヒップを激しくがぶりながら、大村が怒涛のラッシュをかけてくる。
強烈な愉悦の弾丸を何発も脳へぶち込まれ、美優は流麗な細い喉をグーッと伸ばしながら方眉をきつく釣り上げていった。
そして、堪えきれずに漏らしてしまった声は、もう悲鳴に近いものだった。
ドピュ、ビュビュッ、ビュルビュル―
ペニスを深く突き刺したまま、大村がブルブルと腰を振るわせる。
激烈なアクメをはじめて体感した美優は、下腹部に邪悪な粘液の存在を感じながら、突き上げているヒップだけを残して力なく崩れた。
卑猥な液体にまみれた肉棒がズルリと引き抜かれる。
浮いたヒップの割れ目から、白濁の汚辱汁がダラリとこぼれ落ちてきた。
尋常でない汗にまみれている美優の美しい裸身。
異物を失くした豊満なヒップが、弛緩したようにゆっくりと横へ倒れていく。
「奥さん、最高によかったよ」
息絶え絶えの美優に声をかけ、大村はのっそりと起き上がった。
そして、何やら押し入れあたりをゴソゴソとまさぐってから戻ってきた。
「ほら、約束の写真とネガだ」
「あっ……」
眼の前にポンと置かれた封筒に、美優が気だるい身体を起こす。
美優は、いまだ苦しそうに呼吸をしながらも、まずは衣服を身につけていった。
一刻でも早くこの淫猥な空気から逃げたい……本心だった。
放心状態だった頭を何度も振り、美優は掴んだ封筒の中身を素早く確認した。