王様じゃんけん-1
翌日、私はユイの部屋へと訪れると、
開口一番、昨日の仕打ちについて懇々と問い詰めていた。
「もうっ 置いていくなんて酷いじゃないっ!」
「まぁまぁ姉様♪ 結果オーライだったでしょ?」
「け、結果オーライって…………」
「だって姉様ったら…… すっかり女の顔になってるじゃないですか♪」
その言葉の意味を理解するや、頬を染め無言で目を逸らす私。
「お肌もこんなにツヤツヤして…… なんだか嫉妬しちゃいます」
「し、嫉妬って…………」
「で? どうでしたか? 隆に抱かれてみた感想は?」
そう言って意地悪く私の顔を覗き込むユイ。
嫉妬なんて言葉を使うわりに、その表情はいつにも増してニコニコ笑顔で、
普通の子たちがガールズトークをしているのと、なんら変わり無いようにも思える。
「ちゃんと隆を受け入れましたか?」
「う、うん……」
「ここで…… しっかりと隆のを?」
「やっ…… こらっ…………」
ゆっくりと確認するように私の身体をまさぐったかと思うと、
手を内股から上にあげては、指先で下着を縦になぞるユイ。
「んんっ…… だ、駄目だって…………」
「どうしてですか? 思い出しちゃうから?」
「ち、違っ…… んっ………… そうじゃなくて…………」
「それとも…… 今度は隆に操を立ててしまっているのでしょうか?」
そう言ってユイはにっこりと、それでいて不適な笑みを私に投げかけると、
私の股間を指で弄りながら、そっとその小さな唇を重ねてきた。
「姉様………… 相変わらず不安でいっぱいの顔してますね……」
「んっ…… だ、だって…………」
私は隆の事が好きだ。
もちろん抱かれる前からその気持ちはあったけれど、
身体を合わせひとつになってからは、比じゃないほどに愛おしさが増している。
けれど、けれど私はユイにだって同じ気持ちを抱いている。
この気持ちが同性愛なのかだなんて、そんな事は私にはまだわからないけれど、
少なくとも同じくらい、秤に掛ける事なんて出来ないくらいに、
私は隆もユイも共に愛おしく思っているのだ。