電撃告白タイム-1
「明後日、あたしコクる。」大学の学生食堂で、いきなり兵藤ミカは隣に座った友人、美紀に顔を向けた。
「え?」美紀はようやくフォークで拾い上げたばかりのパスタのかけらを、また取り落としてしまった。
「あんたも一緒に来て。飲み会で決行するから。」
「の、飲み会で告白するの?誰に?」
「一緒に来ればわかるよ。あっはっは。」ミカは高らかに笑って、カツ丼を口に掻き込んだ。
「おい、海棠。」プールから上がったばかりのケンジを捕まえて、すでに着替えを終えた久宝が声を掛けた。
「なんだ?」
「明後日、飲み会だ。」
「え?」
「拒否権なしだと。」
「誰が決めた、そんなこと。」
「ミカ先輩。」
「ミ、ミカ先輩?」
「そ。おまえと俺と、堅城、小泉の四人、そしてミカ先輩と美紀先輩。」
「なんだ、そのメンツ。」
「知るかよ。」
「明後日、俺の誕生日なんだが。」
「予定入れてるのか?」
「いや。」
「誰も祝ってくれないってか?丁度いいじゃないか。」
「まあ・・・な。」
「ミカ先輩、密かに祝ってくれるつもりなんじゃね?」
「そ、そうかな・・・。」ケンジは少し赤くなった。