電撃告白タイム-5
「あ、あの、あの・・・・。」ケンジは赤くなってかしこまっていた。
「ラブホテルは初めて?海棠くん。」ミカが優しく言った。「ごめん。デリカシーなかった?」
「い、いえ、そんなことは・・・。」
「いかにも今からやります、って感じだよね。」
「ミ、ミカ先輩・・・。」
「あたしを、抱いてくれる?海棠くん。」
「あ、あの・・・・。」
「好きだった。ずっと前から好きだったんだ。あたし。海棠くんのことが。」ミカの目が少し潤んでいた。
「お、俺も、前から気になってました。先輩が。」
「それって、恋愛感情になり得る?」
「たぶん・・・・。」
ミカはケンジにそっとキスをした。
「ごめんね、酒臭いでしょ?」
「い、いえ・・・。」
「よし、あなたも飲みなよ。せっかく二十歳になったんだからさ。」ミカは冷蔵庫から缶ビールを二本取り出して、一本をケンジに手渡した。そして自分ののプルタブを起こした。
「さ、乾杯しよ。海棠くん。」
ケンジもためらいながら缶を開けた。
「これからどうなるかわからないけど、とりあえず乾杯。」ミカが言ってケンジの持った缶に自分のそれを触れさせた。ケンジは恐る恐る、缶を口につけて、ビールをまるで薬を飲むような顔で、それでもごくごくと飲んだ。
「あんまりおいしそうに飲まないね。」ミカがふっと笑って言った。
「ビール、苦いですね。」悲しそうな顔でケンジはミカを見つめた。
「おいしいじゃない。最高だよ。ビールって。」
それでもケンジはそれを一気に飲み干し、右手で口を拭った。
「やっと君も大人になった、ってわけだ。」ミカは笑った。「抱いて、海棠くん。あたしを。」
ケンジは無言でミカの身体をそっと抱きしめた。そしてその夜初めて自らミカの唇を吸った。
「んんっ・・。」ミカは小さく呻いた。