温泉旅行道中。美弥子の時間 -1
桜井恵子(サクライケイコ)の婚約者の大野新司(オオノシンジ)は、最近車を乗り換えた。
セダンタイプの車から7人乗りのワンボックスタイプにしたのには理由があった。
それは恵子と結婚をしたら、直ぐに子供を作る予定もあって、大きな車の方が何かと便利な事が一つ。しかし、何と言っても一番の理由は、恵子の両親と一緒に、出かけることが多くなりそうだと考えたからだ。
それにワンボックスタイプは後列シートをアレンジすれば、ベッドのようにもなるし車の中で色々なことが出来そうで便利だ。
何故、婚約者の両親と行動を共にすることが多くなりそうかは、拙作『淫乱家族!B 恵子の母 美弥子』を読めば想像ができるので、機会があれば読んで頂けると嬉しい。
この日、前日に実家に泊った新司は、早朝から母親の瞳(ヒトミ)をその新車に乗せて恵子の家に向かっていた。
新司が結婚の挨拶をしてから数日後、今度は瞳を交えてホテルで両家の食事会が行われた。その顔合わせの席で、恵子の両親から親ぼくを深めるためと称して、両家合同での温泉旅行に誘われていた。瞳は恵子の家族の気さくさに、二つ返事で同意していたのだ。
新司の母の瞳は、新司を生んでから直ぐに夫を亡くしている。芯の強い瞳は悲劇を乗り越えて、再婚もせずに女手一つで新司を育てあげた。母子二人の気を張った生活は瞳の若さを保ち、その綺麗な顔立ちはとても中年を過ぎた女には見えなかった。
運転する新司と助手席で並ぶ瞳は、下手をしたら夫婦に見えるほどで、瞳の若々しさが新司の自慢であり、子供のころから尊敬し、そして通常の母親に対する以上に慕っていた。
「新司、平日だけど仕事は大丈夫なの?」
「ああ、スタッフに恵まれてるからね。2,3日は大丈夫だよ」
「でも、月曜日から温泉旅行なんて本当にいいの?」
「ああ、他に客が居ない日を狙ったからね。だから貸し切り状態だよ」
「贅沢ね。でも楽しみだわ」
あまり贅沢をしたことがない瞳は喜んでいた。
「楽しみにしてくれていて嬉しいよ」
「温泉旅行なんて久しぶりだもの」
「何度も誘ったことあるじゃないか。それを断っていたのは母さんだよ」
新司は笑いながら言った。
「だって、前に一度行ったときに、新司ったら何回もセックスしたでしょ、あれじゃ別居した意味が無いからよ」
瞳は新司のモノが何度も自分を絶頂に導いたことを思い出して、少し顔を赤らめながら股間を抑えてモジモジした。
「いいじゃないか、母一人子一人なんだからセックスくらい」
運転しながら新司の手がその股間へと伸びた。
「ああん、だめよ。そんな関係を続けたら新司が結婚できなくなるでしょ。天国のお父さんに顔向けできないわ」
瞳は新司の手を抓りながら答えた。昨晩も新司に迫られたがなんとか断ることができたのだった。
「イテテ、母さんはそれで我慢できるのかい?昨日もオナニーして喘いでたじゃないか」
「やだ、聞いてたの?でもあたしのことはいいのよ」
瞳は真っ赤になった。
「自分で弄るだけじゃなくて、セックスもしたいだろ」
「あたしはオナニーで充分。って何を言わせるのよ。あたしのことより、新司にはいい家庭を築いて欲しいのよ」
「心配しなくて、大丈夫だよ。恵子は素晴らしい女性だ」
「本当にそうね。あんないいお譲さんと結婚できるなんて母さんも一安心よ。ご両親とも気が合いそうだし、今日は本当に楽しみだわ」
瞳は嬉しそうに微笑んだ。
「ああ、いっぱい楽しめると思うよ」
新司はニヤリと笑った。