投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

The end of the DragonRaja,
【二次創作 その他小説】

The end of the DragonRaja, の最初へ The end of the DragonRaja,  0 The end of the DragonRaja,  2 The end of the DragonRaja, の最後へ

The end of the DragonRaja, Chapter 1[Life and death]-1

No.1「anxiety」

「なぜお前は生きている
 何のために生きている」


―――夢を見た
短い夢だった
けれどもとても不思議な夢
まるで俺の頭の中に問いかけてくるような―――


 木漏れ日が部屋のカーテンの隙間から差し込めていた。
 アランは少し寝すぎてしまったようだ。
 ふとアランが起き上がろうとした時、激しい頭痛が脳髄に響き渡る。
 あれは夢だったのだろうか。
 一抹の疑問が浮かんだが、アランは今それどころではない。

 昨晩、対バイサス軍報告書を月明かりが窓を照らすまでまとめていたため、
 アランは少し遅めの就寝を取った。
 昨日の夜遅くまでの作業がいけなかったのか。
 それより、今日は定例会議で報告しなければならない。
 そう、アランはストリームブリンガー副団長として、今軍の中枢に携わっているから。

 アランはまるで夜襲が来たかのごとく、慌てて定例会議に間に合うよう準備をしている。
 ネリアが作ってくれた朝食を口いっぱいに頬張る。
 彼女の作る料理はうまい、しかしアランの上司が怒る顔を想像すると、
それをゆっくり堪能しているわけにはいかない。

(ごめんね姉さん、今日もおいしかったよ、ごちそうさま。)

 そう思った矢先のことだった。
 背後の背筋が凍るような気配を感じた。

 ―――賊か?―――

 振り返り身構えるよりも早く頭に軽い衝撃が走る。
 何が起こったのかと思考を巡らす前に、聞きなれた声がアランの耳に入る。

「あんたねぇ、作る身のほうも考えて食べなさいよ。」

「ふぉめん、ねえふぁん…。」

「作ったほうとしては、おいしく食べてもらいたいんだけどな〜。」

 さすがアランの姉と呼ぶべきか。
 気配の消し方、アランが慌てていたとはいえ、流石だ。

 アランは今までネリアと二人で暮らしてきた。
 両親は彼が幼い頃に亡くなってしまったのだと、彼女から聞いた。
 彼女は今年で22歳になる。
 そろそろ結婚でもして、今とは別の人生を歩むのもいいとアランは思っている。
 彼女は普段は薬草採集をし、それを錬金術師として生成した薬品を売っている。
 気立てがよく、皆に優しくて、レナスではマドンナ的存在だ。
 それに加え端整な顔立ちに、不安をかき消してくれるかのような優しい声。
 この条件で男が寄ってこないわけがない。
 そのようにアランがまじまじとネリアを観察している時だ。
 彼女が再びアランを小突く。

「早く食べる!」

 アランの口は動いていなかった。

「あんた、今日は定例会議があるんでしょ? だからさっきあんなに慌ててたんじゃなかったの?」

「…ぁ」

 はっと自分の置かれているこの現状に気がつき、再びアランは口を動かす動作を開始する。

「だったらもっと早く起きればいいのに…」

 彼女には頭が上がらないアラン。
 彼は装備を整え、会議資料を携えながら玄関へと向かう。


The end of the DragonRaja, の最初へ The end of the DragonRaja,  0 The end of the DragonRaja,  2 The end of the DragonRaja, の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前