サンダーみらくる。-3
「やッ…ダメッ」
しかし、それは和泉によって遮られてしまった。膝にありったけの力を入れている。
「大丈夫だよ?」
芳樹は和泉の緊張をほぐそうと、膝にキスを落とした。
「恥ずかしいよ…」
「いや…でも一回見てるからなぁ〜…」
―ドスッ
芳樹の腹に激痛が走る。和泉の蹴りが見事に命中したのだった。
「いッ!」
「…バカぁぁ〜…」
顔を上げた芳樹の目の前には、瞳から大粒の涙を流している和泉の姿があった。
「和泉…ゴメン…ついいつもの調子で…」
「うぅ〜」
和泉は頭を横に振る。
「違う…怖いの…あたし…」
「…ッ」
芳樹は和泉の涙から目が離せない。慰めなければならない事を頭では理解しているのに…
芳樹が和泉に見とれていると、芳樹の胸に和泉が寄り掛かってきた。
「…和泉、怖いんじゃないのか?」
和泉はまだ泣いているのだろう。芳樹の胸に涙が零れる。
「芳樹が怖いんじゃないの…」
和泉は芳樹の背中に手を回す。
「あたし…自分が怖いの…」
「え?」
「体が覚えてる…エッチした事…」
和泉は芳樹の胸で泣きじゃくる。
「初めてなのに…芳樹に触れられただけで体の中が疼くの…」
「…。」
「あたしの体じゃないみたいで怖い…」
―グィッ
「んッ!!」
芳樹は和泉を胸から剥がし、代わりに唇を重ねた。
「…ふッ…」
唇が離れると、和泉は苦しそうに息をした。
「どぉ?」
「え?」
芳樹は真剣な顔で和泉に尋ねる。
「どぉって…」
「気持ち良かった?」
「え?!…うん」
「よかった〜…ちゃんと和泉の体じゃん。キス、気持ち良かったんでしょ?」
「あ…」
芳樹は和泉の頭をぽんッと触り、にかッと笑う。そして、優しい顔で言った。
「和泉…感じる事は変な事でも、怖い事でもないんだよ。」
「…うん…うん…芳樹ィ」
和泉は芳樹の手を取り、自分の頬にあてる。
「…触って。もっと芳樹を感じさせて…」
和泉は芳樹の手を、胸に持っていく。
「いッ和泉!?」
「大丈夫…ドキドキしてるから…。ちゃんと自分の体だよ。」
今度は和泉がにかッと笑った。
「…俺、激ださ…」
芳樹はふぅッとため息をついた。
「…今の反則だよ。可愛すぎッ」
「キャッ!」
和泉はベッドに沈められた。
「…怖くない?」
「…うん。…あたしを愛して…」
―…
「あッ…はぁぁんッ!芳樹ィ」
和泉の体がびくッと震え、海老ぞりになる。芳樹は露になった白い首筋に、舌を這わせる。もちろん、下の口を愛撫する手は止めずに。
「んッ…あッ!ダメッ」
和泉は眉間に皺を寄せ、シーツを掴んだ。
「芳樹ッ…汚いよぉ」
芳樹は指を抜き、陰部に自ら顔を埋めた。
―ちゅッ
「ひゃッん!!」
和泉に甘い刺激が与えられる。
「ふぁッ…やんッ…芳樹ッ…え?」
和泉が絶頂を迎える直前に、芳樹は舌を止めた。
「…見て。すごいよ、和泉のここ。」
芳樹は和泉の陰部から溢れる液体を指ですくい、和泉に見せる。
「芳樹ィ」
「ん?」
和泉は潤んだ瞳で芳樹を見つめる。
「何?」
「優しくするって…言ったのにィ…」
和泉は恥ずかしそうに俯いた。
「…だって可愛すぎなんだもん。」
芳樹はさらッとそう言い、和泉を抱き締める。
「なんかね…初めてな感じがしないからかな?まぁ初めてじゃないんだけど。…いじめたくなるんだよね、和泉って。」
「何ソレ…」
芳樹の唇が和泉の首筋を伝う。
「…そうとう好きみたい。」
そう耳元で囁くと、芳樹は指をそっと陰部に忍ばせた。和泉に再び快感が押し寄せる。
「あッ…」
陰部は芳樹の指をらくらくと一本…また一本と飲み込んでいく。