振り向いて…-3
「あれ、祐子ちゃん?」
突然、聞き慣れた友人の声が聞こえた。見ると、ちょうど友人が教室から出て来る所である。なあんだ、舞もいたんだ…。祐子はいっきに安心して友人に近寄った。
「舞もいたんだ?忘れ物?」
舞はうん、とうなずく。しかし、祐子の心になにか引っ掛かるものがあった。さっき教室に入った時、舞はいただろうか…?
舞はにやりと微笑んで言った。
「やっと、振り向いてくれたね…もぅ、逃がさない…」
祐子は目を見開いた。
「あなた、舞じゃない…!?」
その日、守衛は女の子の悲鳴を聞いたという。そして、祐子は二度と家に帰ってくることは無かった。
貴方も、夜の学校には気を付けなさい………決して、決して振り向いてはいけない。
[END]