極限詭弁-2
ガチャッ、バタンッ!
「ただ〜いま〜」
!
「は〜、テスト疲れた〜〜!もう嫌!!おかーさんお腹へっ……あれ?お兄ちゃんの靴。」
『キュキュッ!』
「おにーちゃん?もう帰ってるの?高校ってもうテストだっけ……」
騒がしいな。
ウルサイ。
「………ひ、ぃっ!きゃああああああああああ!!」
ウザいな。
今キャンキャン喋ってたかと思えば、今度は金切り声か?
耳障りだ。
何事だ?
「いやあぁああぁああ!!お母さん!お父さん!!千沙…っ!うああぁ…」
キィ…パタン。
ペタペタペタ……
「!!お、お兄…ちゃん?」
「………おかえり、サキ」
そうか、イモウト、か。
そうだ、まだ残ってた。
――……。
「くっ、くっくっく……ははははははは」
「お…お兄………」
あぁ、なんだ。
「どうした?サキ。変な奴だな。おいで」
優しげに手を差し出す。
僕を、捨てられた子犬のような憂いを称える瞳で見て、怯えて震える小さな肩。その姿に―
心の中で唾を吐いた。
「あ……ぁ…」
「どうした?そんなに怯えることはないだろう、兄ちゃんに。失礼な奴だな」
逃げようとする手をやんわりと掴み、引き寄せる。
顔を撫ぜながら除々に手を下げてゆく。
気がついたのか暴れる小さな体。
無駄だ。
「や…やめて、お兄ちゃん。お願い…なんでも言うこと聞く、がっ………!」
ゴキュッ―…
ゴトンッ!