愛しき圭都-4
「圭ちゃん、ワンピの上にシフォンシャツって似合ってるよ。しかし、暑くない?」
「ううん、生地が薄いから暑くないよ」
「ワンピの下は?」
歩きながら圭都の手を握った。抵抗してこなかった。
「キャミソール」
「ブラも着けてるの?」
「やだあ、叔父さんのエッチ。ブラもちゃんと着けてるよ」
「なんとなく暑いかなって思っただけだよ」
「ほんとに?」
「ほんとうさ」
「雨、降り出しそうだね」
「家まで送るよ」
圭都はぷっと吹き出した。
「同じ家に住んでるのに、記憶を無くしてないですか」
圭都の甘い声だ。このまま家に帰りたくない。
吉祥寺駅前の立体駐車場に入った。エレベーターで4階に上がる。僕はエレベーターの中で圭都を抱きしめようと思ったが、踏みとどまった。
湿った空気が4階駐車場にまで流れ込んでいた。停めてあった日産キューブに乗り込む。圭都はワンピのお尻のところを伸ばしてから助手席に座った。
「圭ちゃん、大好きだ」
圭都の左肩に手を置いた。
「こんなところじゃいや」
言葉とはうらはらに、抵抗する気配がない。
「キスしたい。圭ちゃんとしたい」
僕は肩を抱く手に力を込めながら、頬にキスした。
「いやっ」
拒んでいない声だとわかった。圭都の頬に指を当てて、こちらを向かせた。圭都はふっと目を閉じた。僕は可憐な男の娘(こ)の唇を奪った。
唇を強く吸った。甘いルージュの匂いがした。厚みがあるが柔らかい。紛れもなく女性の唇だと思った。キスに応えるかのように圭都も僕の唇を貪ってきた。激しく唇を吸い合う。
僕はもっと圭都を愛撫したくなった。キスしながら太腿を撫でた。すべすべした肌だ。これだけで勃起しそうだった。しかし、もっと確かめたい。ワンピースの裾から手を入れて、ショーツ越しに小さなペニスを弄った。圭都はふいにキスから逃げて、基郎の手を押さえた。
「やめて」
「どうして?」
「恥ずかしいの」
「恥ずかしがらなくていい。圭ちゃんのここも大好きだ」
「わたしは嫌い。男性のしるしを取りたいの」
「でも僕は、男性のしるしを持っている圭ちゃんが大好きだ」
「基郎さん…」
「ね、いいだろう。そっと撫でるから」
「優しくして」
「圭ちゃんの嫌がることはしない」