キングサイズのベッドの上で<中編>-6
「それにしても………… でけぇおっぱいだなぁ…………」
「…………っ!!! ばかっ!」
恥ずかしさにいっぱいいっぱいの私を余所に、
相変わらずの隆が私の身体を優しく撫でる。
これは愛撫ではない、
あくまで体を洗ってくれているのだとわかってはいるけれど、
どうにも身体が反応しては、熱く火照り始めているのがわかる。
「姉ちゃん? 足…… 拡げてくれなきゃ洗えないよ?」
「やっ…… そこはいいっ そこは…… 自分で洗うからっ…………」
「いいよ遠慮なんかしなくても♪」
「え、遠慮じゃないからっ!!!」
随分と目が慣れてきた。
手探りでしかわからなかった隆の体も、
いまではある程度見て取れ、
アレが少しだけ上向きに膨れ上がっているのも、とっくにわかっていた。
「…………そろそろ出ようか?」
私がそう呟くと、黙って互いの体をシャワーで洗い流す隆。
カランをまわし水を止め、
しばしの沈黙の中、私は隆の体にその身を寄せた。
「私………… もう逃げないから…………」
隆の厚い胸板に顔を埋めながら、鳴り止まぬ胸の鼓動を数える私。
心の準備なんてとうに出来ている。
足りなかったのはいつも私の勇気だけ。
いつだって隆は両手を拡げて私を待っていてくれたのだから、
こうしてその身を差し出すだけでよかったのだ。
手を取り浴室を後にするふたり。
身に纏う物など何も必要無い。
私はただこの手をしっかり握りしめてさえいればいい。
きっとすべてはそこからはじまるのだから。