期限-1
「有効期限は三日以内です。御了承下さいませ」
それだけ言って女は消えた。
女が言うにはあと三日で『俺の期限』が切れるらしい。
最初は死ぬのかと思ったが、その女はそうではないと完全に否定した。
「わからん……」
俺には『期限』の意味がさっぱり分からない。なんの期限かも何に対しての期限かも聞いてない。この場合、三日後に死ぬとかじゃないのか?
「わからん……」
とりあえず……眠いから明日考えよう。
俺は電気を消し、早々と闇に落ちた。
〔三日後〕
授業が終わり道路を歩いていた時、路地裏にふと目をやるとあの女が立って手招きをしていた。
《助けてあげて》
口パクでそう言ってるようにも見えた。だからあの女の方へ歩いて行く。
「!」
それが間違いだった……。
そこには中学生位の女の子が服を切り刻まれ、汚れた姿で座っていた。目は虚ろで口は開いたままだった。
「キャー!」
後ろで叫び声が聞こえた時、俺は全てを理解した。もうそこにあの女はいない。見た感じ犯人は俺。
(なんだ……有効期限て……)
「こっちですお巡りさん!」
(こうゆうことだったのかよ……)
「君!手を挙げてこちらを向きたまえ!」
それ以上は記憶にない。ただ……いろんな人を殺した事だけは……鮮明に覚えている。
end