淫らなふたりを見つめる目-6
「ちゃんとブラ外してくるなんて、いい子だね。なに? 欲求不満で元気無いの?」
「キス……して……」
むしゃぶりつくような激しいキスが与えられる。シャツの胸元を強引に押し広げて指が侵入してくる。その指先で何度も乳首を弾かれる。息ができないほどに興奮してしまう。真夜中の公園、誰かに見られるようなことはまずない。それでも、こんなところで恥ずかしいことをしようとしている自分を思うと、体の中に生まれた疼きが否応なしに昂ぶっていく。マヤは自ら松山の膝の上にまたがり、今度は自分から貪るように唇を重ねた。
松山の呼吸が荒くなる。マヤの尻の下で、松山の男の部分が熱く固くなっていく。
「すごいね、こんなに積極的なマヤは初めてじゃないかな……前は外でするの嫌がってたのに。このまま続けていい?」
「いいの……もっとして……」
公園の木々が風にざわめく。枝の隙間には闇夜に美しく輝く月。降り注ぐ白い光を浴びながら、マヤは松山の頭を自分の胸の谷間に押し付けるようにして強く抱いた。鎖骨のあたりから乳房のまわりへと舌を這わせながら、松山がため息を漏らす。
「君は……夜が良く似合うね……昼間とは別人のように綺麗になる……」
「綺麗……? 本当に? ……ああっ」
乳首を咥えながら、足の間に手を伸ばしてくる。その指はマヤの気持ちいい場所をきちんと知っている。割れ目の端から端までを丁寧に撫で、陰部のその奥を突き上げる。もっと欲しい。もっと奥まで。腰を揺らしながら、衣服が地面に落ちるのもかまわずに背中をのけぞらせて喘ぐ。
指が抜かれる。代わりに熱く猛ったモノが押し当てられる。マヤはそれをスムーズに受け入れる。その松山自身を伝って愛液がだらしなく流れ落ちる。マヤの中の広さを確かめるように、それはひどくゆっくりと入ってくる。その間にも指先は黒い茂みをかきわけて小さなつぼみを探り当て、つまみ、撫で、ねじり上げて刺激する。
「やっ、そんなふうにしちゃ……んっ……!」
「かわいいね。こんな風に欲しくて欲しくて仕方が無いっていう顔されたら、どんな男もイチコロだろうな……」
「あっ、あっ……そこ……」
一番奥まで入ったところで、マヤは激しく腰を揺らせ、髪を振り乱して与えられる快楽に身を委ねた。火照った体に真夜中の外気が心地よい。月はどこまでも静かに、淫らな光景を見下ろしている。疲れもストレスも吹き飛んでいく。
闇にまぎれて絡み合うふたり。激しいセックス。夢中でお互いを求め合うふたりは、植え込みの陰で小さく光ったフラッシュにも、食い入るように見つめている人影にも、気付くことはできなかった。
(つづく)