出会い-1
「ちくしょー、何で・・何で、俺だけ・・・」
孝治はつぶやくことで怒りを抑えている、今前から人が歩いてきて肩がぶつかっただけで大声をあげて怒鳴ってしまいそうな勢いだった。
パチンコからの帰り道、最初から少なかったお金もとうとう底をついてしまった。
生活が一変したのは、6ヶ月前の話だった。
当時勤めていた、材木会社が倒産してからだった。
孝治はそこで営業の仕事をしており、持ち前の性格と根気で可なりの営業成績を上げていたが突然の倒産だった。
詳しくは聞いていないが、どうも会社の幹部が横領をしていて、親会社から完全に見放されたとのことだった。
自分の責任ではないところでの出来事に怒りをどこにぶちまけていいのか解らない。
社長・幹部は雲隠れして退職金すら入ってくる見込みもまったくなかった。
早く次の仕事を見つけなければならないのだが・・・
採用試験もこの厳しい世の中でそうやすやすと見つかることはなかった。
孝治には妻と子供がいたので、どう養っていけばいいのかまったく解からない。
パチンコ屋からでて、自宅とは反対の方向へ足を運んだ。
着いたのはごく普通のマンションに着くとインターフォンを鳴らし「俺だよ」と言うと「はーい」と返事が返ってきて、
自動ドアが開いたエレベータに乗ると5階のボタンを押すと静かにエレベータの箱は上昇していく、玄関前に着くころに瑞穂が出てきて迎えてくれた。
スラリとした長身に色白胸は小さめだが形もよく乳首も透き通るようなピンク色をしている。
瑞穂とは材木会社で出会い肉体関係を持つことになった。
妻も子もいる孝治にとって不倫であった。
瑞穂と初めて性交をしたのは、2年前・・・