11.星野美夏-2
「いつぶり?」
私の声に、顔も向けずに「そんな事言わないといけないの」と無愛想に言う。
「時々こうやって、家に来てもいい?」
「絶対来るな。今度は絶対に家にあげないから。困るから、こういうの」
私は吹き出してしまった。腰を振っていたくせに。最後までいったくせに。
「もう話し掛けるな。大学でも最小限にしてくれ」
彼は怒りをあらわにしながらコンドームの処理をし、電気を消した。
さて、あの女にはどうやって告げるかな。私と久野君が恋人同士になるにはまず、あの女には消えてもらわなければならない。