おしおきとご褒美と-1
狭いホテルの部屋、その真ん中にはキングサイズのベッド。佐伯はマヤをその白いシーツの上に放り投げるようにして腕を放した。ギシギシと古びたスプリングがきしむ。スカートが膝上まで捲れあがる。
「パパ……きて……」
マヤは両腕を佐伯の方へ向けて伸ばしたが、佐伯はその声が聞こえないかのように、ベッドの脇に座ったまま反応しない。
「ねえ、パパ……」
「マヤ、スーツがしわになるよ。脱いできちんとハンガーに掛けておきなさい」
冷静な口調でクローゼットを指さす。マヤは戸惑いながらジャケットとスカート、シャツと肌色のストッキングまで脱ぎ、言われるままにハンガーにそれらを掛けた。下着姿のマヤを前にしても、佐伯は表情を変えない。
早く触って欲しい。体の奥がもう男のそれを求めて、締めつけられるように苦しい。どうしていいかわからずに立ち尽くすマヤの肩を抱き、佐伯は幼子に言い聞かせるように優しく囁いた。
「車の中では、どうしてパパの言うことが聞けなかったんだい?」
「だって……あんなふうに触られて……気持ち良くて、我慢できなかったから……」
「悪い子だね。パパの言うことはいつだって聞かなくちゃいけない。そうだろう?」
「はい……ごめんなさい、パパ……」
「よし、じゃあマヤ、車の中でどんなふうにしていたのか見せてごらん。恥ずかしがらずに、ちゃんとパパによく見えるようにやるんだ」
佐伯の手がマヤのパンティにかかり、勢いよく引き下ろされた。ブラのホックも外され、全裸の状態でベッドの上に突き飛ばされた。
「ほら、足を広げて。はやくやってみせなさい」
「……はい、パパ」
強い口調で命令されると、それだけで陰部がぐっしょりと濡れてくる。ベッドの上で両足を開き、黒々とした陰毛の奥にある部分を指で撫でた。指が動くたびにくちゅくちゅと淫猥な音が響く。佐伯の視線が注がれる。
「んっ……あんっ……」
「気持ちいのかい? そんなところを弄っているのをパパに見られて、恥ずかしくないのか?」
「は、恥ずかしい……でも、パパが……やれって……」
いったん刺激し始めると、指の動きを止められなくなる。入口だけをなぞっていた指先を膣内に沈めていく。奥へ、奥へ。中指が、人差し指が、自分の一番気持ちいい場所を探っていく。
「あ、あっ……いい、気持ちいい……っ」
あとほんの数回擦るだけで絶頂に届きそうな感覚。夢中で自身の奥を探り続けるマヤを、佐伯の冷やかな声が制止する。