投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

夕焼けの窓辺
【その他 官能小説】

夕焼けの窓辺の最初へ 夕焼けの窓辺 22 夕焼けの窓辺 24 夕焼けの窓辺の最後へ

第2話-10

圭輔の胸板に、英里の胸が押し潰されて、いびつに形を変える。
直に感じた彼女の胸の柔らかさ、彼の胸板の逞しさに、二人はそれぞれ感動を覚える。
「落ち着くまで、こうしてるから…」
「はい…。先生、好き…」
英里も圭輔の首の後ろに腕を回す。
「俺も好きだよ…だから今だけは名前で呼んで欲しいんだけど」
しばし、躊躇った後、英里は彼の名前を口にした。
「圭輔さん…でいいですか?」
「あぁ…」
互いに裸で抱き合って、しかも自分の一部が彼女の中にあるというのにおかしな話だが、安らぎが彼を包む。
今だけでも、英里と対等でいたいと圭輔は思ったのだ。
自分の顔の目の前にある英里の双つの丘の間に、顔を埋める。
汗ばんだ胸の谷間に軽く舌を這わせると、しょっぱい味がした。
「んっ…」
くすぐったそうに英里が、身を震わせた。
「あの…俺もそろそろつらいんだけど…」
ただでさえ力が漲った自分の物を、英里の中で常に締め付けられているのだ。
何もせずとも射精感が高まってくるのは抑えられない。
「は、はい…もう落ち着きましたから…」
一拍置いて、英里は少し逡巡した後、その言葉を発した。
「圭輔さん、きて…」
その恥らう仕種が可愛くて、圭輔の情欲がまた熱く滾る。
彼女の中に収まったままの自分の物を、軽く腰を回して動かす。
英里は痛みと共に訪れる快感に声を上げた。どちらかというとまだ痛みの方が勝っていたが、圭輔と繋がれた喜びが胸を満たしていて、甘美な快感に酔いしれる。
血と、愛液が混ざった淫猥な匂い。
突かれる度に同時に敏感な突起まで、陰茎に刺激されて、英里の中にじわじわと絶頂感が込み上げる。
圭輔の律動に合わせて発せられる途切れ途切れの喘ぎ声と、英里の長い髪が振り乱れる姿が、何ともそそられる。
「もっ、ダメ…」
先程からの愛撫でかなり官能が高められていた体に、この刺激はもう許容範囲を超えていた。
英里は体を大きく震わせて、一度目の絶頂を迎える。
息をつく間もないまま、圭輔は英里を抱えて、今度は床の上に押し倒す。
上から圭輔が覆い被さり、彼女の中に自身を突き立てる。
英里はもうされるがまま、声を上げ続ける。
床の上に放射線状に広がった彼女の髪が、乱れ、悶える度にさらさらと動く。
「ごめん、英里…優しく、するつもり、だったのに…」
床に腕を突いた圭輔の切羽詰った声が上から英里に降りかかる。
愛おしさ故、彼女を激しく抱いてしまう。
今、自分の中で喘ぐ彼女を、もっと乱れさせてやりたい。
「はぁぁ…っ!」
きつく掴んだ英里の指の爪が、圭輔の肩に食い込んだ。やはり、痛みはまだ引かないのだった。
激しい動きに、英里の胸が上下する。
クーラーのない部屋で熱く交わる二人の吐息が溶け合い、汗の匂いや淫らな匂いが部屋を包む。
しかし、二人はそんなことも全く気に留めずに、互いの肌を味わう。
「…お願い、もっと顔近づけて…!」
「…英里?」
掠れた声で圭輔が答える。
切なげな表情、熱に浮かされたような熱い瞳で見据えられて、英里は子宮の奥がまた疼くのを感じた。
「眼鏡無いから…圭輔さんの顔、ちゃんと見えないの…淋しい…んです…」
英里は痛みに少し顔を顰めながらも、何とか笑顔を作った。
「…あぁ。判った」
圭輔は前髪がつくくらいに、英里の顔に近づけ、そのまま、そっと額に口付けた。
薄く微笑んで、英里の手が、圭輔の頬に添えられる。
「英里、俺…もう…!」
はち切れそうな程に膨らんだ欲望が、今にも爆発しそうだった。
腰を打ち付ける圭輔の速度が徐々に上がる。
より深く、彼女の中に自分を刻み付けんとするかのように、力強く彼女を突き上げる。
英里の体もだんだんと慣れてきたようで、圭輔の律動に合わせるように、吐息を漏らす。
感極まった彼女の声を耳にした後、彼の頭も一瞬白くなる。

「ううん…?」
英里が目を覚ますと、辺りは明るみ始めている。
夏の夜明けは早い。たぶん、まだ朝の6時前だろう。
周りの様子を確認して、彼女の心臓は飛び上がりそうになった。
圭輔に腕枕をしてもらって眠りこけていたのだ。
急いで起き上がろうとすると、自分も全裸のままなので、洗面所に制服を取りに行くため掛かっていたシーツを持って行こうとするが、そうすると圭輔の裸体が丸見えになってしまう。
どうしようか悩んでいると、隣から笑いを噛み殺したような声が微かに漏れている。
「…お、起きてたんですか!?」
「あぁ、ついさっき」
英里が一人であたふたしている様子をずっと見られていたのだ。
恥ずかしさと怒りとがない交ぜになったような表情で、英里は圭輔を睨み付ける。
「…早く起きないと、学校遅刻しますよ?」
「今日は土曜だから休みだよ」
微かに笑いを残しながら、圭輔はあっさりと答えた。
英里はいつものようにクールに振舞おうとするが、その一言に一蹴されてしまう。
「…じゃあ、もう帰ります!」
すっかり拗ねてしまった英里が、圭輔から顔を背ける。
「何で?ゆっくりしていけよ。もう少ししたら朝メシも作るし」
「でも、朝帰りなんて…お母さんが心配するかも…」
「…連絡してないのか!?」
「だって、昨夜は12時までには帰れると思ってたんです…なのに、あんなに気持ちよく寝入ってしまうなんて思わなかったから…。あ、今からメールだけでもしときます」
圭輔の脳裏に、一度出会った厳格そうな英里の母を思い出す。
このまま英里が帰ったら、彼女は母から平手打ちの一発くらい食らうかもしれない。
「ごめんな…」
英里は狼狽した。
圭輔がそんなにも悲しげな顔をするとは思わなかったからだ。
彼にしてみれば、自分は教師なのに、こんな行動を取らせてしまったことに強く責任を感じたのだった。一晩中行方知れずだなんて、大騒動になりかねない。
「そ、そんなっ!私が望んだことなんだから、先生は悪くな…あっ」


夕焼けの窓辺の最初へ 夕焼けの窓辺 22 夕焼けの窓辺 24 夕焼けの窓辺の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前