ビーマイベイベー!-9
「なぁ、トウコ……相談があるんだけど」
「何よ?」
「あの、こんなのが、靴箱に入ってたんだけど……どうすればいいんだ?」
放課後の、帰り道。
シノブがおずおずとそれをわたしに差し出してきた。
わたしは、唖然としてそれを見つめた。ラブレターである。
わたしが今まで貰ってないものを、何故この男が……。いや、今問題はそこじゃないな。
「どうすればって……あなた、男でしょう?」
「そうだけど、お前に出されたものだろう? 返事をしなきゃ、マズいんじゃないのか?」
差出人は、わたしもよく知らない他のクラスの男子だった。
もし一目惚れで出されたものなら、それはわたしではなくシノブに出されたのだろう。
そして、その公算は大であるように思われた。
「返事って、そんなの分かりきってるでしょう?」
「どういうこと?」
「あのね……わたしは、シノブと付き合ってるのよ。その男の子には悪いけど、はいわかりました、なんて答えるわけないでしょう?」
「そうか……なんか少し可哀想な気もするな」
「ちょっと。シノブ、わたしとセックスまでしといて、何言ってるの?」
「おっ、おい……! こんなとこで、なんて話するんだよ……?」
「今まで、たくさん、したでしょう? それとも遊びだったとでも言うの?」
「声が、大きいよ……!」
「あのさ、この際だから、ちょっと色々話したいことがあるの。家まで来てよ」
家までと言うのは、シノブの家である。
彼の両親はお父さんが夜間働いていて、お母さんは週の半分はパートに出ている。
なので、時々家には夜中まで誰もいないという状況が出来た。
セックスをするのも、そういう日に彼の部屋にお邪魔して、いたしていた。
そして、本日もそういう日だった。
「シノブ、毎日うまくやれてる?」
「わかんないけど、無難にやってるつもりだよ」
「時々本当に女の子みたいに見えるけど、気のせいよね?」
「なっ……!? そんなの……この姿で男みたいに出来るわけ、ないだろ」
そういいながら、座布団に座るシノブは、女性のように足をしならせて座っている。