ビーマイベイベー!-14
「ちょっと、お前どうするんだよ、中にこんなに出しちゃって……」
シノブが困ったような顔で、わたしに詰め寄った。
正直、わたしも避妊のことなどすっかり忘れてしまっていた。
反省しながらも、男ってこういうことになるのか、と認識を新たにした。
「大丈夫よ、たぶん」
「たぶん、て……いい加減だなぁ、出来ちゃったら、どうするつもりなんだよ」
「その時はほら……まぁ、色々とさ。いいじゃない、恋人同士なんだから」
「はぁ〜?」
「それに、その体ね、もうすぐ生理が来るはずだわ。安全日は安全日なのよ。一応ね」
シノブは、げげっ、というような顔をした。
そういえば、まだそこの説明をしていなかったな。シノブは顔が青ざめている。
「大丈夫よ、わたしはそんなに重い方じゃないから」
「……もう、いつになったら、元の体に戻れるんだよ」
「それは、わかんないけど、なんとかなるわよ、きっと」
「ほんっと、お前には、ついていけないよ」
シノブは頭を抱えて、わたしを少し呆れたような顔をして見つめている。
わたしは、しかし、それでも楽観的だった。
体が男でも女でも、シノブへの気持ちが不変であることに確信を抱けたから。
それなら、どっちでもいいんじゃないか。
他にも色々問題はあるけど、いつかたぶん――――
だから、これまで通り、歩んでいこう。
彼を、離さぬように。
−完−