隠し事2-1
とっさに隠れようとしたアオイはマダラのベッドへダイブした。黙ってみていたマダラはアオイを隠すどころか、彼女を抱きとめそのまま二人は倒れた。
「マ、マダラ様なにを・・・っ!!」
「・・・さっそく昨夜の助言が効果あったな。夜這いならば積極的にと。これくらいがいい」
「入るぞ」
キュリオの声がして・・・ガチャ、と嫌な音が響いた。さぁーっと血の気がひいて、恐る恐るアオイは扉のほうへと目を向けた。
そこには驚きのあまり固まっている家臣と、何が起きているか把握できていないキュリオが動きをとめて立ち尽くしていた。
目の前に広がる光景にキュリオは事態を飲み込めないでいる。
男の部屋に、いるはずのないアオイがいて・・・ベッドの上でマダラを押し倒しているアオイがいる。
「・・・お父様・・・これにはわけが・・・・」
「・・・・・」
(・・・穴があったら入りたい・・・)
恥ずかしさのあまり、アオイは泣きたくなってしまった。
それから着衣を整えた王たちは朝食をとるため広間に集まってきた。
アオイは自分の席に着くと、自然とキュリオの目の前に座ってしまう。すぐにエクシスが現れてキュリオの隣に座った。
「エクシス・・・おはよう・・・」
エクシスはちらりとアオイを見やると、
『・・・あぁ』
とだけ返事した。
避けられているようでアオイの胸は苦しくなった。
そしてマダラ、ティーダ、エデンと続いてそれぞれ席に座る。アオイの隣に座ったのはマダラだった。苛々したようにティーダがマダラを睨みつけている。
思わずそのやりとりに苦笑すると、キュリオの不機嫌そうな咳払いが聞こえた。
それでもマダラは聞こえていないかのようにアオイの顔を見つめている。その視線に気が付いたアオイは挙動不審になってしまう。
食事が運ばれてきて、重々しい空気の中アオイが小さくため息をついた。
『・・・昨夜の夢を破ったのはマダラか・・・?』
一斉に王の視線がエクシスとマダラに向けられた。
「あぁ、そうだ」
「・・・なぜ奴を助けた」
今度はキュリオが言葉を発した。