夢の中でも女王様-6
体を起こし、ゆっくりとベッドから降りると、
そっと下着を脱ぎ捨てては体中の汗を拭きはじめる私。
(部屋で裸になるって…… 変な感じだな…………)
そんな事を考えながら、大きな姿見に汗ばむからだを映してみると、
首筋に小さなキスマークがついている事に気がついた。
(ユイ………… 私はどうしたらいいのかな?)
ユイの事は嫌いじゃない。
むしろ、関係を持ってしまってからというもの、
思いも寄らぬ感情が渦巻いてしまっているのは明らかだ。
けれど私には隆がいて、だけどユイも隆が好きで、
いくら考えても答えは見つかりそうにない。
(そう言えば隆は………… 隆はユイをどう思っているのだろう……)
ひょっとして今でもユイを好きなのだろうか?
もしも私たちと同じように、
隆もまた、私もユイもどちらも好きだとしたら、
それこそ泥沼、誰も幸せにはなれないのではないだろうか…………
私はすっかり気分が滅入ってしまい、
投げ出すように体をベッドへと沈めた。
今すぐ隆に抱かれたい。
けれど、もしもこのまま抱かれてしまったら、
それはユイがした事と同じだ。
二人を計れぬ秤にかける事はしたくないのに、
どちらかを選ぶなんて出来るわけないのに、
それでも私は上手く隆と抱き合う事が出来るのだろうか…………