狼さんは心配性。(注意、性描写あり)-7
――数日後。
「あれ?」
買い物かごを持って玄関に行くラヴィに、ルーディは尋ねた。
「おしろい、もう無くなった?」
おしろいを塗っていないラヴィの頬には、狼につけられた古い傷痕がくっきり浮かび上がっている。
「ううん。まだあるけど……」
ラヴィは目を伏せて、何か言うのをためらっていたが、やがて決心したらしい。
顔を赤くして、早口に告げる。
「これなら、変な人に声かけられる事もないと思って……可愛いって言われるのは、ルーディからだけで十分だもの」
「ラヴィ……」
「だから、もう心配しなくても大丈夫……っ!?」
のんきに馬鹿な事を言う可愛い『つがい』を、思い切り抱きしめた。
「よけい心配になった!!!」
俺のラヴィは、世界一可愛い。
可愛いにもほどがある。
顔より何より、ラヴィ自身が。
―――ああもう!可愛すぎて困るくらいだ!!
いっそ格闘技の一つでも教えようかと、ルーディは今日も真剣に悩む。
終