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「規則ノイローゼ」
【サイコ その他小説】

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「規則ノイローゼ」-1

チッ チッ チッ
あぁ。
チッ チッ チッ
駄目だ。
チッ チッ チッ
夜中の十二時。受験生の僕は、今日もテキストを睨む。
チッ チッ チッ
いらいらする。
あの規則的な響き。
だから僕は、壁に掛けてある時計を部屋から取り除いた。

ポタ ポタ ポタ
なんだ?
キッチンから聞こえる雫の落ちる音。
ポタ ポタ ポタ
いらいらする。
その変わらない落下音。
だから僕は、その蛇口を使わないことにした。
蛇口の取っ手を外して庭に投げた。


ワン ワン ワン
近所の犬の遠吠え。
ワン ワン ワン
いらいらする。
どの犬も同じリズム。
だから僕は、どの犬も吠えられないようにしてやろう。
明日、その犬を見掛けたら口を封じてヤロウ。

グゥ グゥ グゥ
隣の部屋から、親の寝息。
いらいらする。
そのあてつけのような呼吸音。
だから僕は、包丁を持って寝室に入っていった。


あぁ、これでもう大丈夫ダ。
ナニモ、気になるモノはナい。

トク トク トク
あぁ、まだアッタ。
トク トク トク
いらいらする。
この正確な鼓動。
ダカラ僕は、血にぬれた包丁で、この心臓ヲ。


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