ある友人の日記-1
これはある友人の日記より抜粋したものである。
「12月13日(火)
今日また、犬の散歩をした。
その時に色々考えてみた。
この世の中に僕の居場所はあるのか?ということについて考えてみる。
学校ではからかいというのか、いじめなのかわからないくらい叩いてくる。
やめろ!と言うと、笑いながら殴ってくる。
たまに、『ここにパンチングマシーンがあるぞ』といわれ、結局のところ叩く。哀しい事だ。
家では、家事全般やらされる。唯一安らぐ場所といえば自分の部屋だ。
どうなんだろう?この世界に居場所はあるのか?
いや、ない!
ひとひとり死んだって、わからない時代だ。
もう、死ぬしかないのか・・・?
自分の死を悼んでくれる友人なんてだれもいない。
僕は死ぬ。もう5分したら。
最後に、僕が次生まれてくるときは、幸福な世界に生まれたい。人じゃなくていい。家族に愛されたい・・・。」
この日記を見つけたときは、信じられなかった。
友人にとっての俺は友人ではなかった。それが悲しかった。
その友人は、すでにこの世にいない。