女王様の命令は絶対です <後編>-2
「はぁっ…… 姉様っ………… はぁっ…… 最高です……」
「んっ…… ユイ………… はぁ…… 私も………… とても……」
ほんのりピンク色した身体に気恥ずかしさを憶えながらも、
胸元へと倒れ込むユイを抱きしめたまま、いまだ冷め止まぬその余韻に身を焦がすふたり。
「ほらね姉様? 女も悪くないでしょ?」
「意地悪ね………… まだ男を知らない私にそれを聞く?」
悪戯な瞳で私を見つめるユイに、
照れながら私がそう答えると、
にっこりと微笑みながら、何度も優しいキスを繰り返す。
柔らかな唇、ほんのり甘い香、
時を忘れると言うのはこういう瞬間の事を意味するのだろうか。
「ユイちゃん? その…… 痛く無かった?」
「あは、全然♪ とても気持ち良かったですよ?」
「そっか…… 私にはまだわからない感覚だから…………」
「ふふ、それも時間の問題………… ですよね?」
ユイの言葉に思わず頬を染める私。
「そ、それはっ………… ホントにまだわかんないよ……」
「…………隆じゃ不服ですか?」
「そっ…… そんな事っ」
「ユイは…… その………… か、感謝してますよ? 隆に……」
そう言いながらユイはふと目を逸らすと、
どこか申し訳なさそうな口ぶりで話を続けた。
「隆とは…… その………… 姉様のご想像通り、一度だけ身体を合わせた事があります」
「うん…………」
「もちろんそれがユイの初めてで…… その後は隆以外の誰ともした事はありません…………」
「え? そう………… なの?」
私は少し意外に思った。
いかにユイがレズだからと言っても、
これほどに可愛らしい子がその後誰とも関係を持たなかったなんて、
もったいないと言うのはちょっと違うかもだけれど、何と言うかどこか腑に落ちない。
「あは、納得出来ないって顔してます♪」
「えっ…… いやっ………… ちょっと意外だなって……」
「ふふ、じゃぁ………… 遠い昔、実の父親に襲われた事があるから………… と言えばどうでしょう?」
「実の父親に…………? って、えぇっ!?」
予想外の言葉に思わず体を起き上がらせる私。
その反動でユイはごろりとベッドに転がってしまうも、
そのまま、私に背を向けた状態でゆっくりとまた言葉を紡いでいった。