若き富田林氏、危機管理方法-3
「ゲ―――!きっしょ―――!」
「何が『きっしょ―――!』じゃ!ふざけんな!」
男がそう言いながら投げつけた何かが、土下座するオレの頭の上を飛んでいき、ドンッと後の扉に当った。今のコップちゃうぞ、何投げよったんや…
「すんません、堪忍してください」
「アホンだら!堪忍なんてできるけ―!飲まなぶち殺すど!」
男がそう言いながら投げつけた何かが、土下座するオレの頭の上をへんな滴を垂らしながら飛んでいき、ペチョッと後の扉に当った。
な、なんやのん?今のんは一体なんやのん?なんかの滴がかかったやんか。メチャメチャ気になるやんか…
「ホンマに堪忍してください」
ア、アカンホンマ限界や。足も痺れてるし、それにこのコーヒーの匂い、ムチャ胸悪なってきたがな…
「ええ加減にせんかい!クソガキが!こうなったら無理にでも飲ませたらあ!」
男はオレの髪の毛を鷲掴みにしよった。
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どや、にいちゃん!緊迫感溢れるやろ!さすがの富田林亀太郎でもこの時は生きた心地がせえへんかったでぇ。いや、ホンマの話。
ん?にいちゃん何オレの頭見てんねんな。アホか、この時はまだフサフサしてたわいな。昔からこうちゃうで、ホンマ堪忍して欲しいわ。
まあええ。しかしこの時からやなあ、オレがコーヒーを飲めんようになったんは。コーヒーの香しい匂いを嗅ぐやろ。嗚呼エエ匂いやな〜、旨そうやな〜と一瞬思うがな。ところがどっこいや。その後に脳裏に浮かぶんは白いトロトロのことや。途端にゲ―――!て成るんや!
ミルク入りコーヒーなんて最悪やな。想像が余計に膨らむ気ぃせえへん?何、ミルク入りのコーヒー飲まれんようになったてか?それはすまんことしたわ。わっはっはっ。
なあ、にいちゃん。それはそうとこの話の続き気になるやろ。『亀やん、メチャメチャ気になりますわ。どうやってこのピンチしのいだんですか?続き聞かせて欲しいですわ』て思うやろ!そうやろそうやろ、やっぱり気になるやろ!やっぱり、にいちゃんにも言うて貰おかな〜?
ん?何がてか。
ほらアレやがなアレ、さっきのことやがな。にいちゃんオレに何言わした?はっ?聞こえへんで。そうそう、その事やんけ!
オレもやっぱり人間やん!気持ちようしゃべるんやったら、にいちゃんにもちゃ〜んとお願いして欲しいわ。
えっ?富田林亀太郎はそんな細かいことは気にせえへんはずやて!
おいおい、にいちゃん上手い事言うなあ。いや〜、参ったわ。堪忍してーなホンマ。にいちゃん降参や! わかったわかったて、オレも富田林亀太郎や。しょうもないこと言うてすまんかったわ。堪忍やで。ほんだら話させてもらいますわ………
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